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ヤッホ!
全然出せててなかったから2個投稿!
いってらっしゃい~
翌日、昼休み。
「今日のメニュー何だっけ」
あっきぃが机に突っ伏しながら言う。
「カレー」
ぷりっつが即答する。
「勝ち確やん!」
「はしゃぎすぎ」
まぜたは窓の外を見たまま。
ちぐさはその二人のやりとりを、少し離れた席から見ていた。
(……昨日のこと)
思い出そうとすると、胸の奥がざわつく。
「ちぐさ」
声をかけられて、顔を上げる。
あっとだった。
生徒会用の書類を抱えている。
「今、少し時間ある?」
「うん」
らおが一瞬こちらを見るが、何も言わない。
◇
校舎裏。
人の気配が少ない場所。
「ここなら、いいかな」
あっとは立ち止まり、振り返る。
「昨日の体育館」
ちぐさの肩が、わずかに揺れる。
「……何か、した?」
責める声じゃない。
疑うというより、確かめるような声。
「してない、よ」
あっとはうなずいた。
「そう答えると思った」
「……?」
「でもね」
あっとは少し困ったように笑う。
「“何もなかった”って言い切るには、違和感があった」
ちぐさは黙る。
「転びそうになったあっきぃ」
「床」
「風も音もないのに、空気が動いた感じ」
一つ一つ、丁寧に言葉を選ぶ。
「……俺、そういうの、見逃さない性質なんだ」
「生徒会だから?」
「それもある」
あっとは否定しない。
「でも、それだけじゃない」
沈黙。
ちぐさは、視線を落としたまま言う。
「……もし、何かあったとしても」
「?」
「誰かを守るためなら、それは悪いことじゃない」
あっとは一瞬、目を見開いた。
「……それが答え?」
「うん」
あっとはしばらく考え込み、
それから、ふっと息を吐いた。
「じゃあ、俺はそれ以上聞かない」
「え」
「信じるよ」
ちぐさは驚いて顔を上げる。
「理由、聞かないの?」
「聞かなくていい」
あっとは穏やかに言う。
「君が、誰かを突き飛ばす側じゃないってことくらい、分かる」
その言葉は、静かで、あたたかかった。
「……ありがとう」
◇
一方、体育館。
「まぜた、さっきから静かすぎ」
ぷりっつが言う。
「考えごと」
「珍し!」
「昨日」
まぜたはボールを床に落とす。
「空気、変だった」
あっきぃが首をかしげる。
「そう?」
「一瞬だけ」
まぜたは自分の胸に手を当てる。
「ここが、ざわっとした」
「体調?」
「違う」
ぷりっつが笑う。
「スピリチュアルやん」
「……かもな」
冗談めかして言ったが、
まぜたの目は笑っていなかった。
◇
放課後。
昇降口。
「ちぐちゃん!」
けちゃが駆け寄ってくる。
「生徒会室、寄ってく?」
「いいの?」
「うん!」
あっとが後ろから歩いてくる。
「騒がなければ」
「えへ、よいしょ! 静かにする~」
らおも合流する。
「……ちぐさ」
「なに?」
「昨日のこと」
ちぐさの心臓が、跳ねる。
「誰にも、言わない」
らおはそれだけ言った。
ちぐさは、少しだけ笑う。
「……ありがとう」
◇
夕方。
生徒会室の窓から、赤い光が差し込む。
あっとは書類を書きながら、ふと外を見る。
(まだ、名前は分からない)
(でも)
——確実に、何かが動き始めている。
ちぐさは窓辺で、風に揺れるカーテンを見つめていた。
(気づかれなくていい)
(今は、まだ)
けれど。
静かに、確実に。
この日常は、少しずつ形を変えていく。
誰にも知られないまま——
魔力は、確かに息をしていた。
——続く。
(〃・ω・ノ)ノ オカエリー♪♪
じゃね!