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〜あらすじ〜
新しく現れた「そらねこ」。
人懐っこい笑顔の裏に隠された秘密が、少しずつ姿を見せはじめる。
笑いの絶えない会話の中で、翔はふと気づく――彼がここに来た理由は、偶然なんかじゃない。
第8話 本編 「話し出す酷白」
「……あの、僕もここに座っていいですか?」
そらねこが遠慮がちに病室の椅子を指さす。
kamomeが笑いながら頷いた。
「いいよ。緊張しすぎて倒れんなよ?」
「だ、大丈夫です!」
ぎこちなく腰を下ろしたそらねこは、まだ顔を赤くして俯いとった。
俺はわざと真剣な顔をして、問いかけた。
「で……そらねこ。お前、なんでこんなとこに来れたんや?」
ピタッ。
空気が一瞬で張りつめた。
「えっ……えっと……」
そらねこはしどろもどろになりながら視線を泳がせる。
「僕……ここに、知り合いがいるんです。その人のお見舞いで来てて……」
「ほぉ〜、知り合いなぁ」
俺は腕を組んで見下ろすように言った。
「そんで、なぜかその足で俺らの病室に来た……と」
「……そ、それは……」
まるで嘘をついとるガキを追い詰める親みたいやな、と自分で思って笑いそうになった。
kamomeが口を挟む。
「おい翔ちゃん、あんま脅かすなよ。ほら、そらねこ震えてんじゃねーか」
「いやいや、これは取り調べや。真実を吐いてもらわな」
俺が言うと、そらねこは顔を上げて――不思議な笑みを浮かべた。
「……でも、翔さんはすごいですね」
「……は?」
「気づいてるんですよね? 僕が、ただの見舞い客じゃないって」
俺とkamomeは同時に固まった。
「お、おい。お前……どういう意味や」
「僕、ずっと翔さんとkamomeさんを見てました。出会う前から」
「……はぁ?」
――ぞくり、と背筋が冷たくなった。
「見てたって……お前、ストーカーか?」
俺が言うと、そらねこは慌てて首を振る。
「ち、違います!ストーカーじゃなくて……ただ……僕、ずっと知ってたんです。翔さんたちが同じ病室に入るって」
「……っ!」
kamomeが息をのむ。
俺はそらねこの目を見た。
さっきまでの緊張で震えてた少年の目じゃない。
奥の奥で、底なしに光る――何かを知っとる奴の目やった。
「ど、どうして知っとったんや……?」
俺の声が震えた。
そらねこはにこっと笑った。
「だって……僕の“役目”だから」
「……役目?」
俺とkamomeが同時に聞き返す。
「はい。詳しくは……まだ言えません。でも――」
そらねこは小さく笑って、
「翔さんも、kamomeさんも……これからもっと、いろんなことを知ることになりますよ」
と、意味深に言った。
「な、なんやそれ!余計気になるやんけ!」
俺が思わず叫ぶと、kamomeが即ツッコミを入れる。
「お前は毎回ツッコミ役を増やしてどうすんだよ!」
「いやだって!そらねこ、完全に黒幕感出しとるやん!」
「僕、黒幕じゃないですよ!」
「どっちやねん!」
病室にはまた笑いが広がった。
……でも、俺の心臓は笑ってなかった。
――“役目”。
その言葉が、ずっと耳に残っとった。
✨ポイント
笑い(翔のボケ&kamomeのツッコミ+そらねこの動揺)
意味深(「役目」「出会う前から知ってた」)
最後は不穏に終わる
👉 これで「次の話を早く読みたい!」って思わせられると思います。
第9話では、そらねこの「役目」がさらに具体的に匂わされる…みたいな流れにするのが良さそうです!
次も翔視点で続けますか?それともkamomeに戻しますか?