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「柔太朗、今日は早く帰るから。」
朝、仕事へ向かう前にそう言い残した勇斗。
「ん?なんかあるの?」
「秘密。」
「えー、気になる!」
そう言いながらも、柔太朗はいつものように笑顔で「いってらっしゃい」と送り出した。
そして夜。
「ただいま。」
「はやちゃん、おかえり!」
玄関を開けた瞬間、勇斗は思わず足を止めた。
テーブルの上には、手作りの料理。
そして、少し不格好だけれどわざわざ買ってきてくれたのが伝わってくる小さなケーキ。
「……これ。」
「えへへ。今日は記念日でしょ?」
勇斗は目を丸くした。
「俺がサプライズしようと思ってたのに」
「ふふ、考えること一緒だね。」
すると勇斗は、後ろに隠していた大きな箱を取り出した。
「柔太朗、これ。」
「え?」
箱の中には、柔太朗が前から欲しがっていたルームウェア。
「覚えてたの!?」
「柔太朗のことなら。」
「はやちゃん…!」
嬉しそうに目を輝かせる柔太朗を見て、勇斗は優しく笑った。
「もう何回目の記念日だろうな。」
「いっぱい!」
「だな。」
二人で食事をして、ケーキを食べて。
ソファで並んで映画を見ながら、柔太朗は勇斗の肩にもたれかかった。
「ねぇ、はやちゃん。」
「ん?」
「…出会ってくれて、付き合ってくれてありがとう」
「急にどうした?」
「なんとなく。あの時の俺、はやちゃんと付き合えて本当に幸せだったなって。」
勇斗は少し照れくさそうに笑った。
「俺の方こそ。」
「え?」
「柔太朗がいたから、今の俺がある。」
「……。」
「高校の頃からずっと好きだし、今も毎日好きになってる。」
「もう、そういうの急にいっぱい言うな!」
顔を真っ赤にして、柔太朗は勇斗の胸に顔を埋めた。
「照れてる。」
「照れてない!」
「嘘。」
「うるさい!」
くすくす笑いながら、勇斗は柔太朗の頭を優しく撫でた。
「柔太朗。」
「…何?」
「来年も、その先も、一緒に記念日を祝おう。」
柔太朗は嬉しそうに微笑んだ。
「うん。年をとってもね。」
「約束。」
「約束。」
そう言って二人は指を絡め、小さく笑い合った。
窓の外には夜景が広がり、部屋の中には温かな灯りと、二人の幸せそうな笑顔が溢れていた。
今年の記念日も、二人にとって大切な思い出になった。
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