テラーノベル
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#多重クロスオーバー
メタナイト先生@完全復活
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#ブルアカ
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夏のヴァルキューレは猛暑に見舞われていた。
フブキ「あ”っづ…キリノ〜…?これ本当にエアコンついてる…?」
キリノ「確かに稼働はしているのですが…少し調子が悪いと局長が…」
フブキ「はぁ〜…んじゃ私シャーレ行ってくる…外回りって事で。」
キリノ「ちょ、ちょっと待ってくださいフブキ!まだ仕事は残っているのですよ!?局の皆さん頑張っているんですからもう少しやる気を…」
フブキ「そうは言ってもねぇ〜、無茶しすぎて倒れたら元も子もないじゃん?
…あ、12時だ。昼休憩って事にするからそれならいい?」
キリノ「そう言う所は抜かりないですね…分かりました…ですが帰ってきたら資料類は片付けてくださいよ?」
フブキ「分かってるって。んじゃ行ってきま〜す。」
フブキは空返事をしながらヴァルキューレを飛び出す。
フブキ「…にしても..当然だけど外は外でめちゃくちゃ暑い…シャーレ着く前にカラカラになるって…」
なるべく日陰に沿って道を歩きシャーレに着実に近づく。数十分ほど歩くと到着した。
フブキ「ようやく着いたぁ…さーてと、お目当ての先生の部屋行くか。」
エレベーターに乗り執務室へ足を運ぶ。
フブキ「さ〜てと、先生〜お邪魔するよー。」
部屋を開けると涼しい空気が流れ込む。まさに至福。だが先生の返事はなかった。とりあえず上がり込む。
フブキ「んー…?なんだ居ないの?」
机の上には置き書きが一つ。
フブキ「なになに…用事が重なり少しの間外に出ています。今日は当番はないです、ごめんね。その他の用事がある子はモモトークで連絡を入れて下さい。サボり目的の子もいるだろうと言う事でタイマー設定でエアコンは付けてあります。ちゃんと仕事はしてね?って…」
ものの見事に読まれていた。
フブキ「抜け目ないなぁあの人…んー…でも今更ここまで来てヴァルキューレ戻って仕事は嫌だし…」
少しでもサボりを正当化させたいので一つの案を考える。
フブキ「何なら戻ってきた先生もサボらせるか。確か夏限定で近くでフェス的なのやってたよね。アイス挟んだドーナツがあるとかどうとか。それ買ってきて先生にも分けたら何とかなるっしょ。」
外から帰ってきた先生を表向きは労ってついでにしばらく居させてもらう。我ながらいいアイデアと思ったフブキだが、
フブキ「…会場は近いけど外暑いしなぁ。」
ぶっちゃけると一度涼しい部屋に入った以上自分の足でまた外に出るのが面倒だった。
フブキ「..まぁ1時間足らずで戻れるか。」
とりあえずは出店の場所を検索して現地へ向かうフブキだった。
フブキ「..並びすぎでしょ…」
思いの外フェスは盛り上がっているようで、目当ての店には長蛇の列ができていた。
フブキ「まだお昼前だってのに…並ぶしかないか…」
その後何時間も列が進むのを待ち続ける。炎天下に溶けそうになったが、それでも増え続ける行列。逆にそのドーナツへの興味が増していった。
フブキ「..ようやくもう数人のとこまできた…財布用意しとこ。」
しかしここで電話が鳴る。
フブキ「…もしもし、キリノ?どうし…」
キリノ「ふ、フブキ…!繋がりましたか、交通関係の書類が一気に舞い降りて来たんです、至急戻ってくる事はできますか!?」
フブキ「…え。」
まさかここのタイミングでの緊急の呼び出し。そもそも非番でもないのにヴァルキューレを飛び出して来たのも悪いが、それにしてもこんなにタイミング悪く連絡が来るだろうか。
フブキ「…流石に仕方ないか。…はぁ..分かった、向かう。」
泣く泣く列を抜け出しなるべく早くヴァルキューレへ向かう。朝より湿度も温度も上がった道中は更に自分へダメージを与える。
フブキ「ハァ…ハァッ…た..ただいま。」
キリノ「お帰りなさいフブキ..いきなり呼んですみません..とりあえずこちらの資料作成を頼みます!」
フブキ「りょうか〜…い。」
いつもの数倍以上のスピードで資料作成を急ぐ。しかし休む暇などなく、やがて店に戻る事は難しいと思いながら仕事を進める。
4時間後
キリノ「..つ、疲れました..ね…フブキ..大丈夫ですか..?」
フブキ「うー..頭痛い…でもようやく終わった…それで..もう帰って良いかな…?」
キリノ「今日のピークはとっくに過ぎましたし..大丈夫ですよ、お疲れ様でした..」
かつてないレベルの疲労を溜めてしまったが何とか仕事が終わった。ヴァルキューレを出る。
フブキ「…もう店終わっちゃったかな。夕方だし…」
一応希望を持って店へ戻る。
フブキ「うー…あ、すみませ〜ん、限定のドーナツって..無いですよね..?」
店番「お嬢ちゃんさっき並んでた子だよね..申し訳ないけど先程の男性で最後の一個だったんだ。
フブキ「で、ですよねぇ…」
一応は期待していた為落ち込むフブキ。
フブキ「仕方ない…諦めるか..」
とぼとぼと会場を後にするフブキ。しかし歩いていると異変に気付く。
フブキ「…ん..?め、目眩が…」
思えば昼前から水分をろくに摂らず走り回ったり仕方に勤しんでいた。原因は明確すぎた。
フブキ「うっ…これ..ヴァルキューレ戻るのキッツイなぁ…休むと..こ…」
一応近くにシャーレはあるが正直今迎えるかも怪しい。一旦公園のベンチに横になろうとベンチに近づくが、そこでまた転んでしまう。
フブキ「痛ッ…ついてないなぁ…本当に。」
もはや笑いが込み上げてくる。誰かに連絡して来てもらおうと思ったその時、ぼやける視界に誰かが映る。
先生「〜..い、おーい、フブキ…!大丈夫..!?今すぐ運ぶね…」
安心する大人の声を聞きながら意識が落ちる。
フブキ「うっ…涼し…ここ….?」
目が覚めるとシャーレだった。デスクから顔をあげフブキの方を見る先生。
先生「ようやく起きた…具合はどう?」
フブキ「ん〜…まだボーッとしてるけど大分良くなったよ…ありがとう先生..」
珍しく怒った顔で事情を話す先生。
先生「私が通った時には目が虚ろと言うか…かなり危ない状態だったんだよ!?…何でそこまで無茶を?」
フブキ「あ〜…ちょっと事情が色々重なりまして..」
先生「キリノから大体聞いたよ?朝からヴァルキューレ飛び出して何か買いに行ってたって。それで大量の仕事がいきなり舞い込んでって。…目当てのものに夢中になりすぎて水分とってなかったでしょ。」
フブキ「..先生にはお見通しかぁ。..そうだよ、私の管理不足だった..」
先生「街を守るお巡りさんが倒れたら市民も、生徒も、私も心配だし困るからさ…?」
フブキ「でもさぁー?正直大袈裟過ぎない?先生心配し過ぎだってば。普段からグダグダしてるだけの警官の心配しても良い事ないよ?」
先生はその言葉を聞いて真面目な顔で
先生「はぁ…良い?私からすればフブキも頼れるお巡りさんだよ。いつも市民第一に考えてるし、サボる事だってあるけど、緊急の時は絶対駆けつけてくれる。状況がどうであれ自分の事情を顧みずに他者のピンチに駆けつけるところとか..本当に憧れる。」
真面目な顔でいきなり発せられる自分への賛美。不意打ちすぎて顔が赤くなる。
フブキ「へっ…?ちょっと待った先生..分かったよ、分かったから…」
先生「いや分かって無いね..フブキには他にもやる時はやる、火事場で見せる力とそのギャップがカッコいい。」
フブキ「ごめんってば!も、もうそれ以上褒めないで..むず痒いって。」
先生「..とにかく良い?無茶はしない事。」
フブキ「は〜い…」
先生「あ、そうそうそれで…フブキのお目当ての品って…これかな?」
先生が小さな袋を冷蔵庫から出す。中には自分が先程までずっと探し求めていたアイスサンドドーナツだった。
先生「最後の一個、私が買ったんだ。…一つしかないから食べて良いよ。」
フブキ「え、いいの?..ならさ。半分にしようよ。先生が買ってくれたやつなんだからさ..」
先生「..良いの?…ならお言葉に甘えて。」
フブキ/先生「頂きます。」
口に入れるとアイスの冷たさとドーナツの生地の甘さが広がる。大行列の出来ていた店の商品だけあって味は絶品だった。
フブキ「..ん〜….これめちゃくちゃ美味しい…!」
先生「フワフワだね生地が…」
一口二口と口に運び、あっという間に食べ終わってしまった。
先生「ご馳走様でした。」
フブキ「いやぁ〜、本当にありがとね先生。」
率直に感謝するフブキ。
先生「生徒があれだけ欲しがったものだからね。気にしないで。」
フブキ「お詫びと言ってはだけどさ〜?」
先生「うん。」
フブキ「これからも度々顔出すからさ〜?色んなお店、私と回ってくれたら嬉しいな〜って。」
先生「なら、次は花火大会だね?」
フブキ「え…そこまで良いの?もう行く相手いるんじゃ。」
先生「折角ならフブキと行きたいなって。だから一緒に行こう?」
フブキ「へ、へぇ。…分かったよ。んじゃ…約束だからね?先生。」
夜の静かさの広がる空間に、一つ約束が交わされたのだった。
コメント
3件
Sensei is onnnatarasi
あっ、読んだ読んだ!「冷たい甘さ」、すごく良かった…🥀🤍 フブキのサボりたい気持ちと、結局最後まで頑張っちゃうとこ、めっちゃ可愛かった。それに先生が最後にドーナツ出してくれたシーン、じんわり来た…「半分こ」のやり取りが甘酸っぱくて、胸がぎゅってなったよ。 なんか…普段ダークなの読んでる私でも、こういう優しい日常の温度、すごく好き。続きが気になる〜!