テラーノベル
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エントランスホールが見えてくると、そこにはスマホをいじっていた成瀬先輩と、壁に寄りかかって腕を組んでいる小谷先生の姿があった。
私たちの繋いだ手を見た瞬間、成瀬先輩がパッと顔を輝かせ、ニヤニヤしながらこちらに駆け寄ってきた。
「おーおー! 遥くん、あんた顔真っ赤じゃない。……ってことは、ついに想いが通じちゃった感じ?」
成瀬先輩の直球すぎるからかいに、遥はさらに顔を赤くして、繋いだ手を離さないままそっぽを向いた。
「……成瀬先輩、茶化さないでください。今はそういうのいいですから」
「あはは、余裕ないねぇ。」
成瀬先輩が楽しそうに私の肩を叩くのを、小谷先生が「よしなさい、成瀬。これ以上は遥が爆発する」と苦笑いしながら制した。
先生は私を真っ直ぐに見つめ、少しだけ口元を緩める。
「……朝倉。お前、いい顔になったな。……その景色、絶対忘れるなよ」
先生の言葉は、あの病院の屋上で言われた「誰と見たいか」という問いへの答えを、私がちゃんと出したことを認めてくれているようだった。
私は深く頷いて、「はい!」とはっきりとした声で答えた。
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