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週一であげます♪
桃side
その日も、
夜が来るのが待ち遠しかった。
眠れば、
会える。
それだけで、
少しだけ救われる気がした。
目を閉じる。
意識が沈んでいく。
——そして、
また、あの場所。
真っ白な世界。
でも、
もう怖くない。
『…お、来たな。』
振り返る前に、
声でわかる。
「……うん、笑」
自然と、
笑ってしまう。
こんなふうに笑えるの、
いつぶりだろう。
『今日はちゃんと来れたやんっ、笑』
からかうような声。
「…昨日だって来たし、」
少しむきになって返すと、
くすっと笑われる。
『…拗ねとる?笑』
「拗ねてない。」
即答すると、
また笑う。
そのやりとりが、
やけに心地いい。
「…ねぇ、」
少しだけ、
勇気を出す。
「…名前、教えて。」
昨日は聞けなかったこと。
『…今更?』
そう言いながらも、
優しく答えてくれる。
『…いふ、いふまろ。』
その名前を聞いた瞬間、
胸が、
ぎゅっと締まる。
嬉しいような、
苦しいような、
不思議な感覚。
『…そっちは?』
まっすぐ見られて、
少しだけ息が詰まる。
「…ないこ。」
小さく答えると、
まろは、
少しだけ目を細めた。
『…ないこ、ね…、』
大事そうに、
繰り返される。
それだけで、
どうしてこんなに嬉しいんだろう。
『…じゃあ、ないこ。』
一歩、
近づいてくる。
距離が、
昨日より近い。
『…今日も一緒におろうかっ、♪』
当たり前みたいに言われて、
心臓がうるさくなる。
「…うんっ、笑」
断る理由なんて、
どこにもなかった。
並んで歩く。
何もない世界なのに、
隣にいるだけで、
満たされていく。
『…現実、楽しい?』
ふいに聞かれて、
言葉に詰まる。
「…普通、」
嘘じゃないけど、
本当でもない答え。
『…そか、』
それ以上は、
聞いてこなかった。
その優しさが、
少しだけ痛い。
『…じゃあさ、』
まろが、
少しだけ前を向いたまま言う。
『…ここは?』
その質問に、
迷わず答えた。
「…好き。」
即答だった。
自分でも驚くくらい、
迷いがなかった。
『…そかっ、♪』
まろは、
少しだけ嬉しそうに笑う。
その顔を見て、
胸が、
ぎゅっと締め付けられる。
——この時間が、
ずっと続けばいいのに。
気づけば、
また、あの距離。
手を伸ばせば、
届きそうな位置。
まろが、
ゆっくりと手を差し出す。
『…おいで。』
昨日と同じ言葉。
でも、
今日は少し違う。
怖くない。
触れたいって、
はっきり思う。
俺は、
そっと手を伸ばす。
あと少し。
あと少しで——
ぴぴぴぴぴっ…!!!
「…っ、」
現実に、
引き戻される。
目を開けると、
白い天井。
無機質な音。
夢の余韻だけが、
残っている。
「…好き…か、」
ぽつりと、
呟く。
あの場所が、
あの人が、
こんなにも恋しいなんて。
「…また…会える…よねっ、」
誰にともなく、
そう呟いて。
ぎゅっと、
シーツを握った。
2話お終い。
コメント
3件
はぁ 、 やっぱり 好きです ( 何回言った? ) 週1 で あがるの 楽しみ です ……… 🫠🫠🫠 ブリッジ しながら 待ってます 🙄 続き が 楽しみ です !!!
うわぁ、切ない … 😭 でも読むのが面白くてスクロールする手は止まらなかった …… 😭😭( えぇ、なんか本当に原曲に忠実な作品なのに少し派生型のような感じなのがめちゃくちゃ魅力的でいいですね ;;💘 週一で上がるなんてちょっと … 人生楽しくなっちゃいますって 🤦🏻♀💫 参加ありがとうございますぅ … 😭