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コメント
9件
いやぁ、すごい半端ないw なんとなく予想してたけど(( とりあえず小川くんの攻めが似合いすぎて読んだ後頭抱えましたw次回も楽しみです♪
あらら...!?お互いにこうなったなら...祐希さんもお仕置できないね~ 🤣ただ、W智さんはお互いに目移りしちゃったのね😅少し巻き込まれている祐藍が不憫な気がするけど笑
あら…ッお2人共騙されやすいの✊(💓👄💓)✊でも、藍くんが可愛いかったからおけ〜!メインに戻るんだったら全然構いません😊次回も楽しみにしてます😊
「も゛‥‥‥む゛り゛‥お‥がわ‥さん、やめ‥痛‥いッッッ」
「力抜けって‥締めすぎ!!」
指を挿入している小川さんに怒鳴られるが‥あまりの異物感に懇願する。泣き喚く俺に見兼ねて、ローションを更に足してくれるが不快感は消えない。
「ひぐっ、もぉ‥嫌や‥ゆう‥き‥さん」
決して小川さんが酷く掻き回してるわけではない。むしろ、優しく解してくれているのが分かるが‥それでも身体が拒否するのだろうか‥
今はここにいない、祐希さんの名前を思わず呼んでしまう。
俺が呼ぶといつも優しい眼差しで見つめてくれた。祐希さんを求めるように手を空に差し出すと、その手をグッと小川さんに掴まれる。
「藍‥そんなに祐希さんがいい?」
「‥‥‥う、ん‥‥」
「そっか‥」
ふと、小川さんの動きが止まる。相変わらず指は挿入されたままだったが、動きがなくなったおかげで痛みが治まる。
チラリと見ると、何かを思案している表情。抱くのを諦めてくれたんやろか。賭けに負けたのは俺なのに‥途端に申し訳ない気持ちが沸き起こる‥
「小川さん、ごめん‥他の事やったらなんでも協力する‥」
「そうだっ!」
協力すると伝えようとした俺の声に小川さんの大声が被さる。
「なっ、なんなん?」
「藍!祐希さん呼ぼう、ココに!」
「えっ‥‥‥」
今‥なんて言った?祐希さんを呼ぶ‥?
「は?なん‥で‥?」
「祐希さんがいなきゃ嫌なんだろ?それなら祐希さんの前で抱くよ!」
「ち‥違う‥」
まさかの提案に頭を振って却下する。
「そっか‥忘れてたよ。お前にもお仕置きしなきゃいけなかったもんな。祐希さんも呼べば、二人に罰が与えられるし‥とりあえず智さんのお仕置きの前にやろう。ねっ、藍?」
「いっ‥嫌や‥」
本気で言ってるんだろうか。小川さんの表情からは何も読み取れない。
「小川さ‥ん、冗談だよね?祐希さんなんて呼ばんよね?」
「俺は至って本気だよ。祐希さんがいいって言うんなら祐希さんを呼ぼう。でも、祐希さんには抱かせない。見てもらおうよ、俺等のセックスを‥」
「む‥無理や‥嫌‥」
「どのみち‥ここまでヤッたわけじゃん?祐希さんに言ってもいいんだよ?なんなら、この姿見てもらえばいいよ?祐希さん、なんて言うかな‥」
意地悪く呟きながら、トントンと鎖骨辺りを突かれる。見なくても分かる。先程、小川さんが幾つもつけたキスマの跡を指しているんだろう。
言い訳なんて到底出来ない。
この状況が俺を雁字搦めにしていく‥
でも、
祐希さんを呼ばれるのだけは嫌‥、
こんな姿を見られたくはない。
「返事‥しないね‥そか、分かった。祐希さんに電話しよう」
ぐちゅ‥と挿入していた指を引き抜き、小川さんが携帯を手に取る。
やめてと、慌てて止めに入ろうとする‥が、その時‥小川さんの携帯の通知音が鳴る。
「あっ、智さんからだ‥」
携帯を注視する姿を見上げる。
すると、何故か小川さんが意味ありげに笑った。
「そうか‥今夜か‥ 」
「?」
「藍‥祐希さんが智さんに会いに来るってさ‥」
「えっ‥‥」
「ふーん、その様子じゃ知らなかった?」
「う‥嘘や‥なんで‥」
小川さんの言葉が信じられず、ただ呆然と見つめる。
「嘘じゃないよ。智さんには必ず何かあれば伝えるように話してあるから。もう智さんは俺に嘘はつかない、」
「それなら‥ただ会いに行くだけや‥きっと‥」
「は?こんな時間に?お前に黙って?そんなんだから藍、お前は騙されんだよ。」
「騙す‥?祐希‥さんはそんなんしない、約束してくれたもん‥嘘ついてるんは‥智さんや!智さんが嘘ついてるんよ!俺をまたハメるために!!」
段々と声を荒らげてしまう。
嘘に決まってる。祐希さんが俺に黙って智さんと2人で会うはずなんてない。
「そう‥まぁ‥そのうち分かるだろ。自ずと真実が‥」
そう言うと、小川さんは静かにソファに座った。その横顔からは何も読み取れない‥
どのくらい経ったのか。
重苦しい雰囲気の中‥その静寂を破ったのは、小川さんの携帯の通知音。
息を呑む中、小川さんが携帯を見つめ‥
ニヤリと笑う。
「藍‥祐希さん、智さんの家に来たらしいよ?」
見る?と俺の方に画面を向ける。
一瞬躊躇うも‥意を決して覗き込んだ。
そこに映っていたのは‥
ソファに座る祐希さんの横顔。隠れて撮ったのだろう。こちらに気付いた様子はなく携帯を見つめている。
しかし、距離的に至近距離で撮っているのは間違いない。
祐希さんの長い睫毛が分かるほど‥二人の距離が近いことを物語っている。
なんで‥
自分の携帯を確認すると、祐希さんからの連絡は‥来ていなかった。
昨日だって、会うなんて一言も言わんかったのに‥。
震える手で、メッセージを作成する。
宛先は、もちろん祐希さん。
【もう寝た?】
簡潔なメッセージ‥。既読はすぐについた。
しかし、返事がなかなか返ってこない。
待つ間が、ひたすら長く感じる。隣で小川さんに話しかけられるが、ほとんど耳に入らなかった。
ただ、じっと、
携帯の画面を睨み続けた。
それから暫くして、通知音が鳴る。
そこには‥
【これから寝るところだよ、おやすみ。】
とだけ書かれてあった。
いつもと同じ文章。普段なら信じていたはず‥。
だが、状況を知っている今となっては‥
嫌でも理解してしまう、これが嘘だと‥
「藍?祐希さんは正直に話した?‥いや、その様子だと話してないな‥」
小川さんが顔を覗き込み、頬を撫でる。
「でも、これで‥祐希さんは呼べなくなったな‥向こうも楽しんでるはずだから‥」
隣でそう呟く小川さんの声がやけに遠く感じる。唯一着ていたシャツを脱がされても‥
何も抵抗する気にはなれなかった。
ただ、
ただ、
思い出すのは 祐希さんの言葉。
【誰のところにもいかない 藍だけだよ 愛しているのは‥】
あれは嘘だったのだろうか‥
いかないって約束したのに‥
そう思うが、今の自分の姿を思いだし、自嘲気味な笑みが漏れる。
祐希さんを責めることは出来ないじゃないか。
俺も‥同罪だ‥
小川Side
俯く横顔を覗き込むと、 目尻に涙が溜まっていた。
瞬きすら忘れてしまったような目元にそっと唇を寄せる。
静かに涙を零す藍。
必死になって俺から死守していたTシャツを脱がせても‥何の抵抗もなかった。すっかり大人しくなってしまった藍を優しく抱き寄せる。
ごめん、藍‥。
心で懺悔するも‥後戻りするつもりはない。
そう‥
俺は‥‥‥藍に嘘をついている。
智さんと祐希さんが会うことを‥
知っていた。
まさか今夜だとは思わなかったが。
これは、
智さんと俺の2人で決めた企みなのだから。
後悔はない。