ーーー水族館ーーー
青「桃くーん!買ってきたよー!」
桃「……」
青「はい!みて!美味しそうでしょ!」
桃「……うん」
青「早く食べて、1番大きい水槽のところ行こ!桃くんのお気に入りの場所」
桃「俺の?」
青「そうだよ?前来た時はずーっとそこにいて動かなくて、赤にぃが抱っこして連れていこうとしたら大泣きして、水槽にベッタリつきながら目をキラキラさせて見てたんだから!」
桃「そうだっけ、よく覚えてるな」
青「だって本当に大泣きだったんだもん!小さい僕が引くくらい」
桃「……なんか思い出してきたかも」
青「だからさ!早く食べよ!」
桃「……モグモグ」
味ない…
青「どう美味しい?」
桃「おいしい」
青「嘘だ」
桃「え?」
青「美味しいって顔してない」
桃「?」
にこってしたはずなのに
青「そんなに美味しくないの?もらうね?」
桃「……」
笑えなかった…?
笑わないと駄目なのに……
青「ん!美味いやん!」
桃「…………」
笑えなく…なった…?
そんなことないっ!笑えるっ!
青「桃くん?」
桃「まずくない、おいしい」ヒク
(口角が少し上がるぐらいの引き攣りの笑顔)
青「……無理に笑わなくていいよ。」
桃「無理じゃない」ヒク
青「顔、引きつってるよ」
桃「そんなことないっ」
青「とりあえず食べられる?」
桃「食べられる」
青「ん、無理しない程度にね。」
青「よし、少し休憩したし、行こ!」
桃「うん」ヒク
大丈夫、大丈夫。笑える。
俺はまだ笑える。笑顔になれる
青「…………こっち」
桃「…………」
笑顔にならないとまた橙が悲しむ…
おかしいで!桃にぃ
桃「っ…………」
あれ……なんで笑ってるんだっけ?
悲しまないように……でもおかしくて…
青「ついたよ?ほら見てすごく綺麗だよ」
桃「…………」(上を見上げ見る)
青「ね?」
桃「あぁ、綺麗だな」
あぁ、汚い。ドロドロして見える……
俺の心の中に似てる。
ずっとドロドロしてて、重い
青「桃くん……」
また……まただ……
なんでそんな真っ黒な目で見つめるの…
こんなにも綺麗な水族館なのに
君の瞳には何が写ってるの
青「ただいまー」
赤「おかえりどうだった?」
青「うん…綺麗だったよ」
桃「赤兄ごめん、家事できなくて。お土産買ってきた」
赤「え!気にしなくて良かったのに!でもありがとう」
桃「どういたしまして」ニコッ
黄「僕も欲しいです!」
桃「買ってあるよ、橙の分も」
橙「わーい!ありがとう!!」
青「僕のお金だけどね!?」
桃「ちゃんと返すよ」
青「え、いや…べつにいいんだけど」
桃「待ってて」
青「えー……」
赤「何青ちゃんの癖にカッコつけようとしてるの?」
青「してないし!」
桃「青、はい」
青「1万!?そんなに使ってないよ!?」
桃「お土産代と2人分のチケット代」
青「いやいや、お土産代はせめて割り勘でしょ?チケット代は僕が出したの!」
桃「俺お前の兄ちゃんだからさ、全部出して当然だろ?」
青「いやいやいや、そんなことないからね?」
桃「いいから、貰っとけ」
青「ちょっと!!」
桃「ありがとな、楽しかった」ニコッ
青「……」
またそんな笑顔する……
桃「夜ご飯は俺が作る。今日なに?」
赤「あ、オムライスにしようかなって」
桃「了解、なら作っちゃうわ」
赤「ありがとう」
青「赤にぃ……絶対桃くんおかしいでしょ?」
赤「え、あぁうん…1万は流石に……」
青「笑顔も!!」
赤「え、いつものじゃない?」
青「何でわかんないの!?」
赤「何が!?」
青「桃くん!本気で笑ってると思う?昔と全然違うじゃん!笑い方!笑顔!」
赤「えー…そうかなぁ」
青「小さい時の写真見てみようよ!!」
橙「それ俺も思った…たまに桃にぃの笑顔怖いんよなぁ」
黄「ぼくも…おもいます」
赤「え、2人も?」
橙「桃にぃみたら絶対にニコニコしとるもん…面白くもなんも無いのに」
黄「なんでか聞いたけど、分からないって言ってたよね」
橙「おん……目は笑っとるのに目の奥は笑っとらん…」
赤「…………見てみよう。写真…」
コメント
3件
あぁぁ、、青くんよくわかってるなぁ、、、(゚ー゚)(。_。) 続き待ってます!!
続き待っています。
ストーリー書くのうますぎます、感動しましたぁ🥺