…カラン、…
氷の音
氷の声
寝転がっていた自分の視線の先には
光を映し出すコップの中に入っていた
透明で真っ直ぐな氷。
溶けだしてゆく度に小さな引き締まる音を
微かに出して…居なくなっていく。
それをただぼーっと眺めて
まあ視線を天井に映した
夏か、と思いながら
ふと頭に浮かんできたのは
「…明日ら辺マイクラ肝試しかなぁ…。」
そんな言葉をひとつ呟き
我に返った。
…
“俺はもうただの人間なんやから“
たくさんの文字が羅列する
紙製のカレンダー
カレンダーを外してそのままゴミ箱に投げる
生憎大きいのか
入った後重さに耐えきれず
ゴミ箱ごと倒れた
それと同じように自分もリビングに倒れ込む。
横になった視線の先には丁度、
くしゃくしゃになった
“写真“が
陳列していた
呼吸が不安定になる
黄色のオーバーオールをぎゅっと掴み
息をなんとか整える
赤白ボーダーの半袖から見える
色の悪い腕
痕で醜い肉片と化した腕
ふと口に出した
「引っ越そう」
店の人「場所は大阪府内で?」
「いえ、東京辺り」
店の人 「…え?」
「実際に見に行かなくていいんで、東京の良いマンション借りさせてください」
店の人 「なるほどなるほど…東京駅に近いこことか____」
「え、いいですねそこ。そこにしようかな」
とあるたくさんの理由から
俺は3ヶ月前に“シャオロン“をやめた
それは大きなコラボ撮影の前
急なことであった
仲間に何の話もせず静かな俺は消えていった
当然家に押しかけてきた人もいたし
電話やらLINEの通知は何千件と溜まっている
Twitterではただ
「やめます、ばいばい」と書かれたツイートに
たくさんのリプライが来て
更には何万ものDMが来ていた
それは今も続いていた
…よく飽きひんな
店の人 「あのー…。」
「はい?」
店の人 「…体調大丈夫ですか?顔色とかそれにや失礼ですが痩せすぎですし、傷跡も…」
「心配せぇへんで。大丈夫やで、」
店の人 「無理しないでくださいね」
家の手続きを済ませ
新しい服を買い
髪の色を変えた
ボブなみに長い髪は気に入っていて
そのままにした。
今は夏で暑いが別に気にしない
髪の色は….
小豆色。
赤と紫が入った茶色
それでも割と容姿は変わる
髪型は結んだりすれば良いだろう。
マンションから騒がしい声が聞こえる
そう思ったら
同じ実況者グループのメンバーが
6人来ている
あとの何人かはきっと都合が合わなくて
来なかったのだろう
…
「うるさ、」
そう呟き
俺はカプセルホテルのある場所へ
進行を変えた
あぁ、
変わってしまった
いつもと変わらない日常。
コメント
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フォロー失礼します
投稿お疲れ様です! 今回のお話すんごく好きです 本当にぬわぁぁぁつて感じに好きぃぃぃってなってます お話考えるの上手すぎですね! 神なんですk(