夜中に行われた作戦会議は白熱し、これからに希望を膨らませた。
二人の距離が近づくように、私と朔君の距離も何だか近づいた気がした。
まさに”青春“四人組だ。
「どうやって二人を更に親密にさせる?」
「そうね…二人だけは今じゃ難しいでしょうから、いつもの四人だけで何処が行くとか!」
「良いな!」
私達は二人をくっつける為の議論を続けている。
熱帯夜の中でする会議は、深夜テンションも相まって盛り上がっていた。
「四人だけの空間なら誰かの家でお泊まり会とかどうだ?」
「良いわね」
「だろだろ!」
お泊まり会なら、長く一緒に過ごせる上普段見れないような姿が見られるから名案かもしれない。
「もうちょっと先だが夏祭りとかどうよ! 」
「アリよりのアリね!」
夏祭りに思いを馳せる。地元の神社近くで行われる祭りはカップルが多いけれど、カップル(予定)の二人なら問題無いだろう。
「泊まるなら誰の家が良いかしら?」
「そーだな…俺ん家でも良いが、四人じゃちょっと狭いかもな」
「私も人呼び込むのは、あんまりやらないのよね」
「そもそも女子の家に泊まるのは少しアウトな気がしてきた」
「そう…?」
私にはよく分からないけれど、男子は案外そのようなものだったりするのだろうか。
「だとしたら消去法で紅君にならない?」
「だな…でも紅は藤花ちゃんと一緒に居られるなら尽力する確信がある」
「確かに」
「後で聞いてみようぜ」
「そうね」
どんどん計画されていく夏休みにワクワクが止まらなかった。きっと今の私の目はこれまで一番輝いている。
「にしても夏祭りとか行ったら男女比が2:2だからダブルデートとか言われそうだな」
この言葉は特に反応しなくても良い言葉。「そうかもね」って言って流せば良い言葉。
「……」
「葵ちゃん?」
「それでも私は良いわよ。朔」
「えっ…?」
「もう遅いから寝ましょう…おやすみ」
「え、ちょっ!葵!」
私はそのまま通話をブチッと切った。ここまで起きたのは久ぶりだからか、意識が大分ふわふわして来る。
何で朔があんなに焦ってるような声色だったのかという疑問は欠伸と共に消え去った。
恋愛してる二人に私達も動かされて芽生えてしまったのしまったのかもしれない。
だとしても、先は二人だけれど。
立てた計画を果たせる日が来ることを待ち望んでいようと思う。
気づけば私はあっちの気持ちも、つゆ知らずに深い深い眠りに着いた。
コメント
5件
待ってましたー!!!✨ 2話一気に読めるなんてなんて幸せなんだっ!!! ついに朔くんと葵ちゃんにも恋が、、、!!? 最高すぎてニマニマが止まらないです✨ 次会うとき、きょとんとしてる葵ちゃんと、少し気まずそうにしてる朔くんがいる気がしますw 続きも楽しみすぎるー!!!今回の話も最高でした!!✨投稿お疲れ様です!!🍵
作者のぬんです。読んでくださりありがとうございます。 今日は多めに投稿しました! 遂にやっちまいました…残り二人の恋匂わせました。 元々想定していたとはいえど話始めちゃいました。 本編で拾えなかったら番外編で拾います。