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🤖「や、やめてッッッッ、」
顔面を殴る1歩手前。あと少し、あと少し、気持ちを抑えられなかったら殴っていた。
🌟「はぁッッ、はぁッッ、。お前にッッ、八つ当たりッッ、したとこで何も……ッッ変わらないッッ」
🤖「司…!!」
きっと前の自分なら殴っていた。だが、信頼してくれる人がいるようにもうこれ以上傷つけたくない。
「はぁッッッッ、はぁッッッッ、」
🌟「寧々、情報は揃っただろ?」
🤖「うん、これでやっとね、」
これで1ピース揃った。情報収集もこれで全て。あとは相手に会うだけで、
パリンッッ!!
突然ガラスが割れた音で場が固まる。
「空き教室…か、」
🌟「っ、なぜ場所をッッ、」
コイツが知っているということは。
🌟「寧々、空き教室にッッ、」
「あははははは、」
オレは見逃しやしなかった。廊下で走る、”寺田瑠衣奈”の姿を、。奴の声は笑っていた。だが何が怖いか。目が笑っていなかった。細めても瞬きもしていない。
背筋が凍り、動けなかった。相手はこちらを見ていない。
🤖「……は、は、、??」
追いかけなくてはいけない。頭ではわかってるのに行動できない。
「空き教室…だ。神代がいるのは、。」
🌟「あ、あぁ」
怖い。直感的に思った。オレたちはヤバいやつを敵にまわってしてしまったかもしれない。
理科室の隣の教室へと急ぐ。餅田の証言が正しいのならまだ先輩はそこにいる。ガラスの割れた音。少しの音だったが、何かあったに違いない。
🤖「口止めはしといたから。大丈夫だと思うけど、。」
🌟「おう!助かる!」
🤖「…私たちこれから、」
🌟「あぁ、分かってる。寧々、気持ち悪くなったらすぐ言って欲しい。」
🤖「う、うん。」
これから想定できること。相当過激なことが起こっている。それだけは絶対に分かった。別にそんなこと見たって気にならない。想定範囲内ならの話。
🤖「は、」
🌟「なん、だ…これ、」
走って息が上がっているのに呼吸が止まってしまうほどだった。案の定、想定の上をいってしまった。それも悲惨すぎる形で。
🤖「う”ぅ”ッッ、ごめん司、少し外の空気吸ってくる」
🌟「……あ、ぁ」
本当にこれは人間がやったのか。目を疑うほどだ。気持ち悪くなったっておかしくない。教室内を取り囲む、血の匂いと嘔吐物の独特な匂い。息をするのがやっとで。
🌟「かみ…しろ、せんぱ…いっ、 」
痣だらけの体に剥き出しとなった骨。腕は血だらけ。切りつけられたであろうカッターが転がっている。首には締めあげられたであろう痛々しい赤黒い痕があった。腕を縛られ抵抗さえも許されない。
自然と涙が流れていた。歩いて近づこうとすると何かがへばりつく。地面を見ると紫の髪の毛が何本も落ちていた。
あまりの光景に腰が抜けてしまう。絶望。助けるも何もこの状況をどうすればいい。呼吸しているか自体怪しい。それにこれはオレたち高校生が出る幕なんて無いのでは?これは完全なる警察ごとだ。
🌟「なに…も、できない…のか、??」
ここまで来てやっと追い詰められるのに。しっぽは目の前にあるのに。肝心なところで手が届かない。また…これだ、。無力でしかない。この1ヶ月間を無駄にしたのか、。
🌟「せんぱ…い、」
オレはまだ思いすら伝えられてない。そもそも、下の名前だって呼んでもらってないし呼んだことも無い。約束だって守れてない。謝ってすらない。頼ってもらってない。
大切な人の死を目の当たりにして、何を考えているんだろうな、オレは。もっと、話したかった。行事だって一緒にしたかった。何も叶えられない。なら、せめて名前だけでも。伝わらなくても届かなくてもこの想いと一緒に、。
🌟「オレは…先輩の笑ってる顔も楽しそうにしてる顔も…全部全部大好きだ、」
そっと手に触れる。やはり、冷たい。
🌟「たわいのない話も少しでもオレに心を許してくれたことも宝物だ。こんな状況にならなければ言えないことは悔しくてならない。」
もし、目を覚ましてくれるなら。
…どうか神様。
🌟「…転校初日からずっとずっと類のことが好きでした。すまない、こんな形になって。すまない、なにもッッ、できなくってッッ。」
オレの大好きな人を救ってください。
手を絡め、頬にキスをおとす。口の中で少しだけ、血の味が広がった気がした。もう、救急車を呼んだところで相手にされないか、。
気力がなくなり、立ち上がろうとした時だった。微かに手の指先が動いている。
🌟「は、、」
🎈「…………くん、、?」
🌟「生きて、」
🎈「…て、んま、…くん、」
消え入りそうな声だった。でも、どこか生きようとする気持ちを感じる。目がだんだん開き出して、。
🌟「類ッッ、類ッッ!!!」
🎈「あ、…や、っぱ…り…きみ、だっ、た」
目の奥は霞んでおり真っ黒だった。
🎈「き…こ、え、……たよ、」
🌟「無理に喋らなくても大丈夫ですッッ、血がッッ、 」
少し動いたせいで傷口から血が大量に出ている。これじゃあ、出血多量でッッ!!
🎈「ね…ぼ、く…もう……し、ぬの…かな 」
🌟「ッッ!、そんな縁起の悪いこと言わないでくださいッッ、」
🎈「あ、はは…」
自分のポケットからハンカチを取り出し、無駄だろうが止血を試みる。押さえるしか方法が残っていない。
🎈「さ…い、、ご……だ…から、さ。ぼ、く…のお……ねが、い…きい、てほし、いな、」
🌟「おね…がい、? 」
🎈「う、ん」
止血しているオレの手をどかし、抱きついてくる。体が震えている。
🌟「な、なにしてッッ!このままじゃ、ほんとに死んでしまッッ、」
🎈「あぁ…、あっ、…たか、い……なぁ」
🌟「ッッッッ、」
🎈「おね、…がい、…きい、て、…くれ、、る…?」
今にも消え入りそうな声だった。だけど、腰に回している腕は離さないと主張している。こんな死ぬかもしれない瀬戸際で馬鹿力が働いたのだろうか。
🌟「……ッッ、何だって聞きますッッ。嫌ってほどッッ、。」
🎈「あ、、はは、。…ここ、ろ…づよ…い、な、」
🌟「最後なんて言わせませんッッ、」
🎈「それ、…でね、…おね……がいは、」
何がくるだろうか。何がきても絶対に満足させる。叶えてあげたい。
🎈「…て、ん…ま、くん……にコ、マンド、……だし、ほし…くっ、て」
🌟「え?」
🎈「ほ、、ら……やくそ、く……した、から」
覚えてくれてッッ、
🎈「な、ん…でも、い…いよ、」
どうして先輩はこんなにも自己犠牲できるんだ。もしこれで死んだとしてもオレに後悔させないようにって、。
🌟「…、」
🎈「き、きゅ…う、にいわ…れて、も?」
Command。なんだって出せる。だが、何を出すべきなんだ、?座らせるのも立たせるのも論外すぎる。な、なにを、
🎈「か、…ん、た…ん、な……もので、いいよ、。ど…う、せ……しぬ、ん……だし」
なぜそんなに言い切れるんだ。死にたい?、それが先輩の本心なのだろうか。周りに隠し1人で解決して。…そうだ、こうすれば、
🌟「……決めました。」
🎈「ほ、ん……と?」
🌟「嫌なら答えなくていいです。」
🎈「ん、」
🌟「……ずっと聞いてみたかったんです。先輩の”本当”に思っていることを」
🎈「へ、……いつ、も、ほん…し、、んで」
🌟「オレにはそんな風には見えません。教えてください。オレにどうしてほしいか、
……Speak《言って》」
🎈「は、、ぅ…///」
大丈夫。何でも受け止めますから。