テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🦐「…」
恵比寿は、生まれて初めて恋をした。しかし、相手は既婚者でしかも同性。しかも自分は同僚にすぎず、彼の親友ではない。知ってか知らずか、恵比寿の前で他の教師に対して見せる笑顔。無性に腹が立って仕方がない。しかもあんな下等で卑劣、性悪な鬼妖怪と…
🧣「?恵比寿先生?」
🦐「何か?」
🧣「いえ…すみません。俺の勘違いみたいです」
🍶「よせや秦中くん。あれと関わったらろくなことにならへん」
🦐「えー?酷いなー。僕、福の神なんだけど?」
🍶「福やて?不幸の間違いやろ」
🧣「あ、そういやお前、そろそろ6千返せよ」
🍶「もうちょい待ってや〜」
🧣「先々週も同じこと言ってたろ…」
いつも自分は蚊帳の外。あそこまで親密な関係は築けていない。それに恐らく、飯綱が自分と仲良くするのも学園長から何かしら言われたのだろう。言われなくても飯綱なら仲良くしようとしてはくれただろうが、とにかく気に食わない。気に食わなくて、とりあえず外へ出た
⚔️「で?なんです、夷三郎さん」
🦐「優太…優太は、輪廻転生って信じる?」
⚔️「何をするつもりなんです?」
🦐「話したでしょ、前…」
⚔️「秦中ですか」
🦐「うん…」
優太には、早々につげていた。1人で悩むも答えも出ない。なら、人手を…。そう思って言ってあったのだ。伝えた時は頭を打ったのかと本気で心配された。しかし、冗談でもなく本気だと言うことに気づいてくれたからか割と真剣に考えてくれてると思う
⚔️「輪廻転生…具体的な科学的数値は出てませんね」
🦐「…」
⚔️「でも、存在はするんでしょう?なら、福の神の出番じゃないですか」
🦐「ぁ…!」
⚔️「…わかってるとは思いますが、秦中が妖怪…まして人間として生まれ変わるのなら、それは捨てざるを得なくなりますよ」
🦐「それこそ、僕福の神さまだよ?」
⚔️「…健気なもんで」
🦐「嫌われたくないし」
⚔️「…ま、妖怪だったとしても上の説得はしんどそうですけどね」
🦐「…妖怪は、僕らが罪を犯した人間に罰を与えた姿なんだよ?なら、別にどう扱ってもいいじゃない」
⚔️「…」
顔は明るく、笑っている。しかし、目は笑っていなかった。ドス黒く染まっている。かなり歪んだ愛だろう。しかし、ここまできてしまっては恐らく恵比寿は手に入れるまで諦めないだろう。ただ、恵比寿の想い人が人間に生まれ変わらないように祈るだけだった
あれから、かなり月日が流れた。前様子を見に行った時は、学園長と元、神獣の朱雀しか残っていなかった。飯綱の知り合いの多くが、亡くなっていた。それほど長い年月が立っていた。しかし、恵比寿は予想に反して元気だった。今思えば、この時既に、恵比寿にはわかっていたのかもしれない
⚔️「…その、子供…」
🦐「だーれだ」
⚔️「は、秦中…」
🦐「旧姓はね」
⚔️「は…」
🦐「新しい、殺戮の神様」
まさか、神に転生するとは思っていなかった。恵比寿が抱えている子供は、明らかに以前の化学の教師だった
⚔️「…なにか、言われましたか?」
🦐「僕が、この子の面倒見るんだ」
ひどく楽しそうな顔をしているが、本題は。
⚔️「…記憶の、有無は?」
🦐「さあね…。でも、どっちにしろ、今世では僕だけを愛してもらうから」
持っていても持っていなくても、監禁に近しいことはされるのだろう。こちらとしてはない方がいい。何せ一筋縄で行くような男ではなかったから
🧣「あーあーーーー!!」
🦐「どうしたんだい?」
🧣「うーーーーー!!!!!!!」
🦐「もう、可愛いな〜」
⚔️「…」
怒ってる、ようにしか見えない。幻覚…疲れ目だろうか。しかしここで最悪の未来が見えてしまった
🧣「え、びすしぇんしぇ!!なんで、こんなことになってるんでしゅか!!!」
🦐「…秦中先生、僕のこと、覚えてるの…?」
🧣「はぁ?!おえ、そんなばかじゃないえしゅ!!!!!!」
人間で言うとこの一歳を迎えた頃。しっかりしゃべった。しかも第一声がそれ。しっかり覚えていた。1年前に見てわかっていたが、最悪だ。このままでは監禁コース一直線だ
🧣「って、くらはし。…あ、しょっか」
⚔️「…」
すごい目で見られてる。文句ならあんたの想い人に言ってくれ
🧣「で、なんでこうなった。ぎだった?」
⚔️「輪廻転生って分かりますか」
🧣「りんえせんせい?」
🦐「生まれ変わるってことです」
🧣「うしょぉ……。けっこんしたんでしゅか、」
🦐「ん?ああ。14か15年後くらいにする予定」
未成年淫行じゃねえか。せめて成人するまで待てや
🦐「でも、どうして結婚したと?」
🧣「いや…あなたおれにたいしてきもかったから」
🦐「へー…そう。そういうこと言うんですね」
🧣「え…?」
⚔️「困ってますから。やめてあげてください」
🦐「邪魔しないでくれる?」
⚔️「一歳ですよ、まだ」
🦐「…」
⚔️「自由気ままに生きたい時期です」
🧣「…そういえば、いまおれってなんえすか?かまでないんすけど」
🦐「何って…殺戮の神さま」
🧣⚔️「さ、さつりく…」
🦐「まあ、似たようなもんじゃない」
🧣「にて、る…?」
⚔️「いや、僕に聞かないでください」
関わりそこまでないだろ、あんた。てか…
⚔️「目、見えにくいですか?さっきから細めてますけど…」
🧣「ぼやけててよくわからん」
⚔️「…メガネ買いに行ってきたらどうです? 」
🦐「そうだね…じゃあ今度一緒にいこうか」
🧣「じぶん…あ、やっぱおねがいします。おかねは、その、…ばいとしてかえしますね」
🦐「…バイト?どこで?」
🧣「え…?いや、こんびに、とか…」
🦐「何言ってるんですか?」
🧣「え、びすせんせぇ…?」
🦐「いや…違うな。何言ってんの?」
完全に終わった。恐らく、恵比寿は一歩も飯綱を出歩かせるつもりはないらしい。本気で監禁するつもりだ
🧣「…、?」
いつもと違う雰囲気に困惑が隠せないのか目を彷徨わせる飯綱。しかし、それさえ恵比寿は許さない
🦐「どこ見てんだよ」
🧣「ん゛?!ぁぅ…」
頬を鷲掴みにすると、視線を固定させる恵比寿。いくら転生しているとはいえ、子供にすることではない
🦐「…ねぇ、秦中先生。僕、あなたのこと愛してるんですよ」
🧣「ん、う…?」
🦐「でも、あなたは既婚者で。奪うに奪えなかった。…今までさんざん気使って待っててあげたんですから、それ相応のご褒美は期待していいですよね? 」
🧣「…」
信じられない、と言った表情だ。助けてやりたい気持ちはやまやまだが、飯綱のためにも変に恵比寿を刺激すべきではない
🧣「…んぅ…ん!」
🦐「!あ、ごめん」
🧣「ケホッケホッ…なんで、おれなんですか…」
🦐「秦中先生…飯綱が好きだから」
🧣「…あの、いっこだけ、おねがいがあって…」
🦐「お願い…?」
🧣「…がっこ、にはいきたい、です」
🦐「は?」
⚔️「…!」
外に出るなと言うことで怒られたのに、外に出たいと言う。首輪で済むとは思えない。最悪、恵比寿は飯綱の足を落として物理的に自分に執着させるのさえ厭わないだろう。恵比寿と対等に友人関係を築いておきながら、恵比寿の性格を理解していないのだろうか
🧣「そとにでちゃだめなりゆうってなんですか」
🦐「誰かに盗られないようにするため。君の安全のため」
🧣「…ばっくれていっしょうくちきかないままもっかいしんでもいいんですよ?」
🦐「あ゛?」
🧣「おねがいします。そのかわり、やくそくはまもるから」
自身との対価交換。動物妖怪というのは、本当に変なところで計算高い。自分への執着具合を測っての提案だったのだろう
🦐「…分かった。その代わり、約束を破ったらそれ相応には罰を受けてもらう」
🧣「…たいがくにしないあたりあなたらしい」
🦐「してもいいんだぞ?」
🧣「さしちがえてでもていこうしてやる」
🦐「だから退学はさせない。僕とて、君を傷つけるのは不本意だから」
🧣「…おやさしいことで」
🦐「ルールは全部で3つ
①門限は17時
②僕、もしくは優太の許可を得て行動すること
③浮気しない
守れますか?」
🧣「もんげん…」
🦐「ん?」
⚔️「部活とか、補講の場合17時余裕で超えます」
🦐「入んなきゃいいじゃん、部活。補講も自業自得でしょ」
🧣「おれがほこうなしでがっこうせいかつのりきれると?!」
🦐「別に。その都度お仕置きすればなおるでしょ」
🧣「がくえんちょうにぶんなぐられても…はんごろしにされてもなおんなかったのに…」
🦐「 」
🧣「っっぐぁ…」
だから。まだ一歳だっての…。押し倒すな。そして組み敷くな
🦐「あー…ルール④ 僕の前で他の男の名前出すの禁止」
🧣「??…わかっ、た…。ごめんなさい…」
理不尽すぎる。何も言われてないのに突如キレられるなんて。しかし、恵比寿がここまで依存するとは。恐らくこの先も同じようにキレられて。時に暴力だって振るわれることになるだろう
🦐「…そっか、もっかい教師やればずっと一緒にいれるのか」
⚔️🧣「は…?」
🦐「もっかい教師やろうかな〜」
🧣「…ぅぁ、」
⚔️「…少し借りていいいですか?」
🦐「は?なんで?」
⚔️「いえ。ただ、…僕が同級生でいやじゃないか聞きたくて」
🧣「ん?」
🦐「…」
⚔️「不良も蔓延ってます。怪我させたくないでしょうし、貴方最悪クビですよ?」
🦐「…わかった」
もし怪我でもしようものなら犯人の命はないだろう。それに、学園長は恵比寿を嫌っている。それを口実に首切りにされるはずだ。そもそも雇ってもらえるかはわからないが
⚔️「で、何が聞きたいんです?」
🧣「…だれがいて、だれがいない?」
⚔️「…御友人と奥さんは、…」
🧣「…そっっか、おれ、ひとりか…」
⚔️「…学園長と朱雀なら、まだ生きてます」
🧣「…」
⚔️「はた…いや、飯綱。もし、僕が君の同級生になったら、友達になってくれる?」
🧣「…おまえだいじょうぶか。おれおまえとそんなしたしくなかったきがすんだけど」
⚔️「…夷三郎さんも、飯綱に傷ついて欲しいわけじゃないだろうし。…友達いた方が楽しいでしょ」
🧣「…!そう、だな…」
⚔️「お互い補講になりますかね…」
🧣「…わんちゃんえびすせんせいに、」
⚔️「…無理でしょ」
🦐「楽しそうだね…」
⚔️「ちょっと、」
🧣「…」
🦐「僕とは、楽しくないんだ」
めんどくせぇ〜…意味わかんねぇその思考回路。世間ではヤンデレと言うのだろう。いや、もはや新種のストーカーだろ、こいつ
🦐「優太の方がいいんだ」
🧣「…」
一歳に引かれてんぞ。しかも平均0点の元教師に
🧣「えびすせんせえ、しゃがんでくれません?」
🦐「なんで?」
🧣「いいことおしえたげます」
🦐「…ん」
🧣「んっ…チュ」
🦐「 」 ⚔️「…?!」
🧣「ふふーん。あ、でもつづきはおれがせいじんしてからです」
こいつが大人しく待ってるわけねえだろ。聞いたろ、さっきの未成年淫行宣言。てか、そんな躊躇なく男に、しかも自分を監禁しようとしてる相手にキスするか?普通…いや、生まれ変わって記憶持ってる時点で普通じゃねえな
てか…夷三郎さん、目キマってるって…こりゃ飯綱毎日腰痛で立てなくなりそうだな…
無事高校生になり、門限をテストのたびに破ることになる飯綱と倉橋。その都度飯綱が足腰立たなくなるまで抱き潰されるのはまだ未来の話
かいてて思った。そこまで重くねぇや。監禁要素もうっっっっすい。♡50いってたらある日のお仕置きであげますね…ちょっと色々勉強してくるので遅くなったらごめんなさい
コメント
3件
いや…ありがとうございます…! いや、やっぱ既婚者は…ね。人気面でも…😭 まあ、そんなこんなで少なくてじゃあ頑張ろうと思ったので頑張っていくのでぜひ読みに来てください
最高です!続き待ってます! 秦中先生受けは正義なのにだーれも書かないから楽しみにしてまーす!(自分ログインなんで1日♡10個しか押せません( ; ; )