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番外編 明治の軋轢に潤滑剤を
東京side
むかし、むかし、四十七の土地の化身と独りの国の化身がいた。私が江戸と言われていた時代
薩摩や長州の武力抗戦によって江戸幕府は終わり徳川慶喜は政権を天皇に返上した。
別にそれが嫌だったのではない。ただ私のめんどくさかった所は旧幕府軍が戊辰戦争を始めた所だった。
その後蝦夷地は明治政府の元、北海道という名を持った。今思えばそれからだ彼に嫌気がさしてきたのは。アイヌ文化はとことん弾圧し本州の文化を押し付けた。統一感は団結力には必要だった。だから、私は北海道から色んな物を奪った。それは、文化、言語、人名、命、全部奪った。そして北海道の化身の自信、誇り、自己肯定感、多分笑顔も奪った。
いわば、この北海道の旅路の原因は私のせいなのは考えれば明白だ。
「行きましたね。北海道」
成田空港11時のフィンランド・ヘルシンキ行きの飛行機はもう雲に隠れた。
祖国と成田空港の展望デッキにて私はスーツを着込み、北海道を見送っていた。
「北海道と話さなくていいんですか?」
私は彼にそう聞いた。
成田空港にしては静かすぎる展望デッキには異様な空気が漂っていた。きっとこの人のせいだ。
「いいんですよ。あの子は四十七人の中で一番向上意識が高い。それと同時にプレッシャーに弱い。だからいいんですよ」
凛としていてでも優しい眼差しはどうしようにも、逆らえないし甘えてしまう。
あんまり大きくない身長に反して大きくて柔らかい手は頭を撫でるためにある様に思えてしまう。
「東京、あなたもこのままではいれませんよ。明治で止まったその歯車を動かさなければいけません」
分かってはいる、このままではいけない。北海道は私が無視出来ない程に成長した。
でも何故かとてもむしゃくしゃするのだ。あいつが嫌いなわけじゃないだけどどうしても虫のいどころが悪い。
「そんなに、爪を噛まないでください」
そう言いながら頭を撫でる。こんな事をされると、憎悪も嫉妬も妬ましさも全部綺麗に消えてしまう。
本当に罪なお方だ。