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ごめんなさい、めっちゃ書くたいアイディアがぱっと出てきてしまった。
吹部の8914です。書きます…。
《新入部員》
「新入部員、新入部員…」
俺は溜め息をついた。ここは吹奏楽部の体験入部会。
俺が担当しているチューバは重いし、でかいしで、可愛くない。
そのせいだろう。女子の多い吹奏楽部には全くと言っていいほどウケていない。
クラリネットやトランペット、パーカッションの方を見て思う。
いいなぁ。
話すのがあまり得意ではない俺がトランペットの様にそこまで話せるとも思っていないが。
《キリッとした一年生》
「新しく入った一年生です!右からパーカッション、トロンボーン………」
「はい!後で先輩たちに宜しく言っておいてね!」
サックスの部長が張り切って一年生を紹介していく。
今年はまぁまぁ多い方だ。
俺の担当楽器、チューバは居なかった。まぁいいだろう。
「ッ…!?」
一年生と目があった。身長は高く、キリッとした目をしている。
普通に背越されてるな…。
あ、確か、フルート。
フルート男子なんて珍しい。
同じ男子というだけで接しやすいものだ。
できれば仲良くなりたいな。………できればね。
《どこか変わったフルートの音》
♪♪♪♪♪
「うーん………」
合奏前。チューニングも終わったし、いよいよ合奏か。
最後の確認をするように色んな楽器の音が入り混じっている。
そんな中、低すぎるチューバの音はチューナーが拾ってくれない。
いや、チューナーのせいかな。買い換えないと。
あ、顧問が手を振ってる。
今から始まるんだろう。
「今から合奏はじめまーす、前の続き………Dから!」
「ディズニーのDねー!」
チューバはメロディーが無い。メロディーがなければソロもそりゃあ無い。
俺だってアルトサックスみたいにかっこよくソロを吹いてみたい。
そんな目立ちたいという願望はある。
でも、また今日も吹くのはベース。四分音符がズラッと並んでいる。
曲がFに入ろうとしている。ここめっちゃ木管かっこよかったよなぁ…。
その分難しいだろうけど。
♪~~~~
フルートの華やかでおしとやかで綺麗な音色が聞こえてくる。
こんな音大きかったっけ?この音量でこんな綺麗なんだからすごいよね。
「はい、今のフルート良かったですよ〜。」
「フルートが大きくなったから、オーボエもできる限り頑張ってみようか。」
大きな返事が聞こえて来る。
うちの顧問は優しい。
《厄介な一年生》
「ッ………はぁっ…はぁっ…」
重すぎる。ケースをつけて運ぶとなると15kgぐらいあるんじゃないか?
今日はうちの吹奏楽部がイベントに呼ばれている。
イベントはまぁまぁ好きなのだが、持ち運びが面倒くさいのだ。
クラリネットやフルートの様な軽さなら良かったのにとつくづく思う。
「せんぱ〜い、手伝いましょうか〜?」
聞いたことのない声だ。
「ちょっ…反応してくださいよ…」
顔を見るとこの間入部したフルートの一年生。
そりゃ余裕があるわけだ。
「あ、喋ったことなかったですね、」
「893っていいます〜。宜しくお願いしまーす。」
何というフットワークの軽さだろう。
この人、苦手かも知れない。
「ふふっ、014さん、パーカッションの小物とか運んだらどうですか?」
893は俺がぽかんとしている間に片手で持っていってしまった。
意外と力あるんだな。
というか、今、俺を力ないってディスったか?
…やっぱり、苦手だ。