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その女性教師を許せない💢
「えっ? こ、怖い?」
あまりにも予想外の言葉に驚きを隠せない。
「実は……僕は女性が苦手でね。女性恐怖症……なんて言ったらおおげさかな」
店長はフッと笑った。
「……正直びっくりしてます。綾井店長は普通に女性と話されてますし……」
誰にでも優しくて、1度も女性を避けてるなんて思ったことはなかった。
「そうだね。ずいぶん進歩したよ。子どもの頃は近づくことも無理だったから」
「そ、そんなに?」
「ああ。両親が大切に守ってきた「AYAI」を守るためには、女性が苦手なんて言ってられないからね。少しずつ克服して今に至る……って感じかな」
苦笑いする顔が少し切なく見えた。
「私、全然知らなくて……何だかとても驚いてます」
「そうだよね……。もう、2人でゆっくり話すのはこれが最後だろうから、君にだけは全てを話すね」
「えっ……」
本当に聞いてもいいのだろうか。
だけど、深く考える暇も無く、店長は話し始めた。
「僕は、中学生の時に担任の女子教員からセクハラのようなことをされてね。学校で……色々強要されて」
「セク……ハラ?」
「ああ。もちろん、全部嫌がったし、逃げたりした。だから、結果的には何かあったわけじゃないんだ」
「そんな……」
「あの時の先生の顔が怖くて……いや恐怖で。今でもまだ忘れられない。あの人は、いつも悪魔みたいに『ニヤっ』て笑うんだ」
店長の過去にそんなことがあったなんて信じられない……酷すぎるよ。綾井店長の心に、こんなにも深い傷を負わせたその人を憎みたくなる。
「すみません。私が変なこと聞いたから……また思い出させてしまって」
まだ中学生、思春期だった頃の綾井店長の苦悩はいかばかりだっただろう。
「いいんだよ。僕も悪かったんだ。もっと早く誰かに助けを求めるべきだった。『話したらどうなるかわかってるよな』って脅されてたからね。怖くて誰にも言えなくて。勇気がなかったんだよ」
「そんな! 酷すぎますよ。店長は何も悪くないです」
「ありがとう。結局、その先生はすぐに辞めてどこかにいなくなったんだけどね。この話は、誰にも話さずに墓場まで持っていくつもりだった。なのに……ごめんね。こんな話、聞きたくなかったよね。でもね……最後に君にお礼が言いたくて」