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~アクアマリノ 中心街~
オレとマリーは、アクアマリノの中心街で調合の素材となる物を探して買い物をしていた。
アクアマリノの中心街の商店は、品揃えがよく、流石は流通が盛んに行われている貿易都市と呼ばれるだけはあった。
「よし、調合や錬金術に使えそうな素材は大体揃ったかな」
オレはマリーと帰る準備をしていた、とその時オレの気配察知のスキルが反応を示した。
「オレたち誰かに尾行されているみたいだ」
「えッ!それって!?」
マリーはびっくりしたようにオレに聞き返す。
「しっ!気付かないふりをしていてくれ」
オレは小さな声でマリーに頼んだ。
「相手の数は3人か」
「気配を殺しているところを見ると、プロの暗殺者と言ったところか」
日本にいた頃もよく研究のデータを盗もうとしてこういった暗殺者に襲われそうになったことは何度も体験していた。
進にとって、誰かに命を狙われる等は慣れたものだった。
だが、ここは異世界相手の実力は日本にいた頃よりも強い。
相手がどんな恐ろしいスキルを持っているか分からないので、進は警戒色を強める。
尾行に気付いた進とマリーは人気の少ない路地裏に足早に入っていった。
尾行している者たちもその動きに気付き、進たちを見失わないように路地裏に入っていったが、そこには進たちの姿はなかった。
「チッ、アイツらいったいどこに行った!?」
進たちを尾行していた者たちは、突然進たちを見失ったことに苛立ちを隠せなかった。
「一体誰を探しているんだい?」
尾行していた者たちの後ろからさっきまで追いかけていたハズの進の声がした。
「バ、馬鹿な!?なぜ貴様たちがオレたちの後ろにいるんだ!?」
明らかに黒ずくめで怪しい3人組は動揺をしていた。
「なんでお前たちにオレの手の内を教える必要があるんだ?」
進は、その明らかに怪しい奴らに対してそう言い放つ。
「なんだと!?貴様!」
「やはり、指令にあった通り、こいつかなり生意気な小僧ですよ。」
「なんか散々言われているみたいだな―――」
「まぁ、お前たちに言っても問題なさそうだから種明かしと言うか、説明すると”光学迷彩”を使用したんだ。」
「白魔法は、魔力を生命エネルギーと言う光エネルギーに変換する魔法、つまり光を自由自在に操れるということ」
「光を自由自在に操れるなら、光を曲げることだって可能で光を曲げることでこんな風に辺りの周囲と同化することができる!それが”光学迷彩”だ」
そう言って、進は実際にその3人組の前で光学迷彩を利用し、透明になって見せた。
勿論、普通に白魔法の使い手で進のような使い方をする者は、この世界には他にいない。
異世界から来た科学と言う武器と魔法と言う武器の両方を持つ進だからこそ可能である芸当である。
「と、透明になれるだと!?そんなことが出来たら暗殺し放題じゃないか!?」
さらに、その3人組は動揺していた。
「さぁ説明は、これくらいにして今度はこちらから質問させてもらうぞ。」
「お前たちは誰の命令で来た?」
「いや、それはもう決まっているか…昨日の神殿騎士か、その仲間の命令だろ?」
「問題は、そこじゃないな、何のために来た?オレたちを殺す為か?」
進はその男たちに聞いた。
「そうだな、そこまで気付いているなら隠しても無駄みたいだな」
「オレたちは貴様を生け捕りにするよう命令を受けた」
「そっちの娘は、関係ないから犯した後に殺すつもりだがなククク」
こいつら言わなくてもいいことをペラペラと―――
進はマリーに対しての発言に怒りを感じていた。
「そうか、だったら、オレたちは精一杯抵抗させてもらうぞ」
「フフフ、誰だ神殿騎士を倒すようなやつと真正面からやり合うか。」
「オレたちは本業は暗殺者であって、戦士ではない。」
「こうやって存在を認識された時点で、この場は退くしかないんだよ。」
男たちは逃走を図るため、胸ポケットから転移石を取り出し、逃げようとする。
「誰が逃がすと思う…」
「白魔法:サンクチュアリ!」
進は、自身の白魔法を発動し、その瞬間進の足元から半径30メートル程の魔法陣が展開された。
「転移石が使えないだと!?」
その魔法陣の効果によって男たちの転移石による逃走は失敗した。
「サンクチュアリは、白魔法による結界を展開できる。」
「この空間では、死霊系の存在や空間転移は制限され白魔法の力が増幅される。」
「さぁこれで貴様たちは逃げることはできないぞ―――」
進は一歩一歩男たちの元へとに近づく。
「どうする走って逃げるか?」
「このオレから逃げ切れると思うか?」
男たちの息遣いが明らかに乱れ始める。
進との圧倒的な実力差をその肌にしっかりと感じていたのである。
そして、本能的にこの男からは逃げ切ることは不可能だと認めていたのである。