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そうして、その日、下処理と下味を付けたつくしと菜の花と卵を持って行って、いつものバザー会場で売り始めた。
すると、なんと!
まるで食べた事の無い味だ、と大人気で、昼過ぎには2つの卵焼きはすっかり売り切れてしまった。
「やりましたわね、ゼルゼディス様!」
「えぇ!
こんな物が売れるとは…
何事もやってみないと分からないものですねぇ…」
「一言多いですわよ!」
私は言う。
「はい!
すいません!
エシャロット先生…!」
誰が先生だ、誰が…
こうして、私たちはまた来る日も来る日も野菜入り卵焼きと野草入り卵焼きを売った。
1日で5万ルナ儲ける時もあり、卵焼き屋は絶好調だった。
ゼルゼディス様は相変わらず、全額とは言わないものの、結構な額を保護猫カフェに寄付していた。
何故、そんなに保護猫に優しいのだろうか…?
保護犬には寄付してないわよね…?
ふと、不思議に思ったが、まぁ、猫が好きなのだろうと納得した。
♦︎
そして、3ヶ月が経った頃。
結構なお金が私たちの懐にはあった。
「さぁ、次はアレを建てなくては…!」
私は言う。
「アレ?
とは???」
「決まってますわ!
卵焼き店ですわよ!
いつまでも屋台じゃ、お客様もくつろげませんもの!
そうですわねぇ?
この領地セイラの中心に建ててはどうでしょう!?」
私は言い、書斎から地図を持ってきてリビングで広げた。
「中心と言うとこの辺りですね。」
ゼルゼディス様が綺麗な指を指した。
「えぇ、何も建っていませんし、良いと思いますの。」
「確か領地に元大工さんが何人か居たはずです。
頼んでみましょう。」
ゼルゼディス様が言い、私たちは大工のリーダー・アルトさんを訪ねた。
彼は酒屋で飲んでいた。
「卵焼き店?
卵焼きが何なのか知らないが、別に建てる事は構わんさ。
ゼルゼディス様には世話になっているしなぁ。」
ビールを豪快に一気飲みするアルトさん。
「それは良かった。
お金は前金と後金に分けてお支払いしますよ。
よろしく、アルトさん。」
「しかし、不思議なもんだ…
エシャロット様が来てこの領地は豊作になった…
みんなが女神だと崇めているが…
あんたは本当に女神様かなんかかい?」
「そうです、と言ったら、本物の女神様に怒られますわね。ふふ。
でも、ありがとうございます。」
私は言う。
アルトさんと別れて帰るかと思いきや…
「エシャロット、せっかくだから飲んで行きませんか?」
ゼルゼディス様が言う。
「お酒ですか…?」
「弱いんですか?」
「失礼な!
弱くありませんわ!」
何となく対抗心でそう言ったが、今世でお酒を飲んだ事は無かった。