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うわ、今回も熱かったですね……! ミラ様が颯爽と登場してルビリスの自爆覚悟を止めるシーン、グッときました。それに魔神と同じ威力のエネルギー波を放つとは、設定の裏付けがしっかりしててワクワクします。砂塵に紛れて転移する判断も冷静で、ミラ様の統率力が光る回でした。ヌーとの念話も含めて、次が気になりすぎます!
ルビリスの魔力が上昇していくのを見た魔神は、一体あの魔族がどのような魔法を使うのかと、相当に興味を抱いたのか、攻撃をしようとしていた手を止めてまで観察を始める。
――しかしルビリスが『スタック』させた魔法を使う機会は訪れなかった。
何故ならルビリス達の組織の総帥である『ミラ』が、この場に一瞬で『転移』してきた後に、玉砕覚悟のルビリスの魔法発動を『聖動捕縛』を用いて止めた為である。
「み、ミラ様……!?」
フルーフから『発動羅列化』した『魔神』の技を抽出する為に、ここから離脱した筈のミラが、目の前に現れた事で驚くルビリスだった。
「私は時間を稼げとは言ったがな。お前に死ねとまで命じたつもりはないぞ?」
「実験体からの『羅列化』への抽出は、お済になられたのですか?」
「ああ。お前のお陰でな」
その言葉を聞いたルビリスは表情を緩める。
「そうですか」
嬉しそうな表情をしているルビリスを一瞥した後に、ミラは鼻をならして視線を『魔神』に向ける。
「ひとまず作戦は終了だ。イザベラ城でヌー達と合流後に、再び『アレルバレル』の世界へ向かう」
「分かりました」
ルビリスの同意の言葉を聞いた直後『ミラ』は魔神が動いたのを確認する。
――次の瞬間。
最初に見せた威力の『高密度のエネルギー波』が『魔神』からミラに向けて放たれるのであった。
「み、ミラ様!」
ルビリスが騒ぐがミラは冷静に金色を纏わせる。恐ろしく早い魔神の『エネルギー波』は、先程までルビリスに向けて放っていたお遊びとは違って、一撃で相手を浄化する事が出来る程の威力を誇っていた。
――しかし……。
まるでレーザービームのような『魔神』の『エネルギー波』に対して、ミラの射程範囲ギリギリまで引き付けた後に『ミラ』もまた同様に魔法を放つ。
その魔法は魔神が向けるエネルギー波と、まさに同じ波動で同じ威力を持っていた。
しかし『魔力回路』から放出した『魔力』の消費量は、ミラの『一回分』の総魔力量程を使わされる事にはなったのだが――。
敵を粉々にする程の威力を持った『エネルギー波』同士がぶつかり合い、その衝撃は大魔王の渾身の『極大魔法』を上回る程だった。
そして山脈の岩山が衝撃で崩れていき、砂塵で視界が完全に見えなくなる。
「よし、行くぞ」
「え!? は、はい!」
ミラは周囲が見えなくなった今が好機と判断して、ルビリスの肩に手を置きながら『高等移動呪文』を発動するのだった。
そしてその『高等移動呪文』の効力によって『高速転移』を遥かに上回る速度で、イザベラ城へと向かっていくのだった。
――二人が飛び立ったコンマ数秒後。
ミラ達が居た場所に『魔神』の追撃の『エネルギー波』が放たれて、岩山が崩壊したかと思えば、そのまま勢いは止まらずに山の中をエネルギー波が突き破っていき、山は崩壊した上に地形がえぐれていった。
次に同じ規模のエネルギー波が放たれると、完全に崩壊してこの山脈は地図上から消えてしまうだろう。
「――」(逃しはしない)
ミラ達の魔力を感知した『魔神』は恐ろしい速度で、この場を後にしたミラ達を追いかけるのだった。
…………
イザベラ城の前に到着したミラ達は、周囲を見渡してヌー達の姿を探す。しかし先にこの場所に来ていた筈のヌー達の姿がなく、流石にミラは焦り始める。
「私は実験体達を頼むとは言ったが、城の中に入れとは言ってはいないぞ!」
舌打ちをしながらミラは直ぐに『念話』を大魔王ヌーに送る。こうしている間にも『魔神』は直ぐにこちらの居場所を察知して向かってくるだろう。
(今どこにいる? アレルバレルの世界へと向かう準備をするぞ)
ミラが『念話』でヌーに語り掛けると、流石に直ぐに返事がくるのだった。
(分かっている。この世界を離れるならば準備が居るだろう? それに安心しやがれ。もうそちらに向かっている)
何処までも自分勝手なヌーだったが、作戦を細かに話していなかったミラも悪い。この世界を自分の物のように扱っていたヌーは、この城に多くのマジックアイテムなども残していたのだろう。それらを回収しようとしていたようであった。
しかし説明をしていなかったミラも悪いが、今はそんな事を悠長にしている場合ではないのだ。こうしている間にもグングンとこちらに向けて、魔神が迫ってきているのをミラは感知した。
(いいかよく聞け。こちらに魔神が向かってきているのは分かっているな?)
(ああ、もちろんだとも)
ミラはしっかりと理解していると判断して、次の指示を出し始める。
(よし。この世界を離れる前に、後一度だけ試しておきたい事がある)
(何……?)
訝しげに返事をするヌーに向けて、ミラはその最後の作戦を話し始めるのだった。