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sideゼルゼディス
私がソファで昼寝をしていると、領民が何人かやって来て口々に言いました。
エシャロットが拐われている所を見た、と。
私は一気に現実に戻されました。
拐われた、と言う事はどこかに連れて行かれたはずです。
一体どこへ!?
私は外に出て、領地中のカラスを呼び集めました。
カラスの言う所によれば、エシャロットは領地の東の空き家に連れて行かれたようです。
「メゾド!」
空に向かって呼ぶと、闇王竜メゾドリックが西の方角から飛んできました。
「メゾド!
大至急東に向かって飛んでください!」
『おうよ!』
私はメゾドに乗り、音の速さで空を駆け抜けました。
エシャロット…!
どうか…!
どうか…無事で…!
そうして、空き家の窓をぶち抜いて中に入ると、そこには服を僅かに乱したエシャロットと彼女を襲おうとする男、そして…
アリアが居ました。
私の中で何かが切れる音がします。
私はメゾドから降り、闇属性で強化した足で男を蹴り飛ばしました。
「ぐがぁぁぁっ!」
男は空き家の壁にぶち当たり、叫び声を上げました。
「エシャロット…!」
「ゼルゼディス様!」
普段は強気な彼女の瞳からは涙がこぼれ落ちます。
私はその涙を見て、2人を殺す事を決意しました。
「な、な、何よ!
ゼルゼディス!
こっちにはAランク魔導士ライランがいるのよ!」
アリアの下品な声が聞こえてきます。
「だから…?」
私は怒りを抑えるのに必死でした。
建物を全壊させかねないのでね。
壁にぶち当たった男はヨロヨロと立ち上がると、大剣を抜き、私に斬りかかってきました。
Aランク魔導士…ねぇ…?
私は闇属性で強化した片手でその剣を受け止めました。
そして、もう一方の手で手刀を閃かせ、その男の胸部をえぐりました。
「グハッ…!」
男は血を吐き倒れます。
私の左手にはその男の心臓が握られていました。
心臓をアリアの方に投げつけ、私は一歩、また一歩と彼女に歩み寄ります。
もちろん、殺す為です。
「ち、ち、違うのよ…
あ、あ、あいつが勝手に計画した事で…!
ゆ、ゆ、許して…!」
アリアが命乞いをしますが、それこそ、だから?です。
「ゼルゼディス様…
もう良いですわ…」
エシャロットが言いました。
先程までの涙を拭い、凛とした顔をしています。
「アリアは…
命までは…」
「しかし…」
「あなたの手をこれ以上汚したく無いのです…
アリア、あなたは牢屋行きよ。」
そうして、結局、アリアを殺人未遂容疑で王都に引き渡しました。
多分、20年は出られないでしょう。
「よく…
頑張りましたね…」
私はぎこちなく彼女を抱きしめてそう言いました。
「きっと助けてくれると信じてましたもの…」
エシャロット。
そうして、アリアの襲撃事件は終わりました。