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「誰かに見られている様な、気がする?」
渡辺は、向井と宮舘に話を聞いてもらっていた
「いや…きっと気のせいだと思う、多分…」
自分なんて、見ても…誰も楽しいはずは無い…
今だ自分の評価の低い渡辺は、慌ててそれを否定する
「でもなぁ…翔太、最近変わって来たし…」
以前より人当たりの良くなった渡辺の事を、気にし始めた人間は意外と多い…
「そんな事無いって…それじゃ俺、今日はこれで上がりだから…」
そう言って、渡辺は荷物を持って楽屋を出て行く
「今の翔太の話…どう思う?」
宮舘が向井に聞いて来た
「まぁ…気を付けるに越した事はないんやない?」
「それは、まぁ確かにな…」
そんな話を延々として…2人が、頷き合っていると
「あっ!しょっぴー、スマホ忘れてる!」
机の上に渡辺のスマホが置きっぱなしになっているのに、向井が偶然気が付いた
「俺、届けて来る!」
そう言った向井は、渡辺のスマホを持って…慌てて楽屋を飛び出し行く
その頃、持ち主の渡辺は…ある事件に巻き込まれていた
「アンタ…SnowManの渡辺翔太だろ?」
路地を歩いていた渡辺は、肩を掴まれそう聞かれた
その声に、聞き覚えがあり振り返ると
「やっぱりそうだ…あの時のガキ」
悪魔の様な男が、目の前に現れた
「お前、捕まったはずじゃ…」
「天は俺に味方したみたいでな…あのガキ、心を病んだとかで証言出来なくなっちまったんだとよ」
そう言った男が、おかしそうに声を上げて笑う
確かに、あんな事が身に降りかかれば…自分みたいに病んでしまっても仕方ない…
「それで、お前は俺に何の様だ…」
渡辺は、身体が震えない様に…グッと耐える
弱みを見せたらつけいられる…この男は、そういう類の匂いがする…
「何って、久しぶりの再会をしに来たんだろ?」
「?」
「お前、有名になって…忘れちまったのか?俺が、散々可愛がってやっただろ…?だからなぁ…もう一度、俺に恩を返してくれよ…」
「!」
そう言った男は渡辺の腕を掴み、強引に路地裏へ引き摺り込む
「嫌だ!やめろ!」
渡辺は声を上げるが
「また、ガキの頃みたいに…殴られたいのか?」
そう男に凄まれて…あの日の出来事がフラッシュバックしてしまう
「はぁ…かはっ……」
息が上手く出来なくなり…膝をついて涙を流す
男から身を守る様に、身体を抱えて座り込んだ