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「やめなさい!」
私の声はそれほど大きくはなかったが、夜中の静寂に響き渡った
私は生垣の影から姿を現わし、彼らに向かって歩き始めた
夜中の冷たい風がジャケットを翻し膨らませる
髪も後ろになびいていた、私は彼らの前に仁王立ちで立ちふさがった
すると途端に俊哉が笑った
「これはこれは!リンリン!どうしてわかった?ここまで来れたことを誉めてやろう」
俊哉が言う
「柚彦君を離して!」
俊哉が手下に指示する
「あの女を取り押さえろ、素直に従わなければどうなるかわかっているな!」
「あら!私が怖いの?それでは中に入ってきちんと話し合いましょうか、お金がいるんでしょ!いつだってあなたは私からお金をせびっていたわね」
まるで車の商談をしているかのように丁寧な口調で言った
俊哉は静かな怒りを表した表情を見せた、彼と結婚していた頃によく見た表情だ、今はさらに同猛性を増しているように見えた
「お前が・・・提案するのも主導権を握るのも許さない!俺の指示に従え金は持ってきたのか!」
私は肩をすくめた
「お金は持ってきているわ、先に彼の拘束をほどいて!」
俊哉は暴れて抑えられている彼を見た後、ずんずん私の方に向かって歩いてきた