藍side
それから練習で俺に誰かが近づく度に
祐希さんが俺を睨んできた。
そんな日々が続いた日の朝の事
玄関の扉が開く音で目が覚めた
「ん、こんな朝から誰やろ…?」
そう思い玄関へ向かうと
「あ、ただいま。起こしちゃったかな?」
「祐希さん…?朝帰りなんて
珍しいですね…?」
「そう?」
「あ、はい…」
俺は祐希さんが朝帰りをしたことに不安になり疑いの目を向けてしまうすると
「何、その目?」
「あ、えっと…祐希さん…まさか他の人と
そういう事してませんよね…?」
俺が恐る恐る聞くと祐希さんは笑顔で言った
「何言ってるの?俺は藍以外と
そういう事 する訳ないでしょ?」
「そ、そうですよね…俺の
早とちり かもしれません…」
「もう、早とちりは良くないよ?」
「そうですね…」
それからこの話を終えると朝ごはんを
食べ 練習へ向かった。更衣室で
「…」
「藍おはよ~」
「藍ちゃんおはよ!」
「藍おはよ~」
太志さんや西くん、智さんが挨拶を
してくれるけど俺は静かに無視をした。
それから着替え終え更衣室から出た時だった
「ねぇ、智さん?」
「ん?何?祐希?」
「昨日はありがとね?」
「別にいいよ、最高だったし」
「智さん、また今夜もいいよね?」
「いいけど、藍は大丈夫?」
「藍?大丈夫だよ、しっかり寝てるから。」
「そう、じゃあ今夜もよろしくね?祐希?」
更衣室の中での二人の会話が聞こえてしまった
「え…今夜も…って…やっぱり祐希さん…
俺はそう確信した同時に感情がぐちゃぐちゃになりながら練習へ向かった。
それから祐希さんは俺を避け
智さんとばかり話していた。
そしてその日の夜やっぱり
祐希さんは 帰ってこなかった
「はぁ…嫌や…祐希さん…今頃智さんを
抱いてるんかな…それで…智さんは…」
「あかん…こんな事考えたら
辛くなるだけや…」
俺の目からは涙が溢れた
「祐希さんの恋人は俺やのに…」
「祐希さんの隣は俺だけのもんやのに…」
そして俺の心の奥で何かがじわりと
溶けだす感覚に呑まれた
「祐希さんの笑顔も…泣いた顔も…俺の事抱いてる時の気持ちよさそうな顔も…寝顔も…朝俺を起こすときの優しい声も…優しい顔も…」
「智さんに見せて欲しくない…」
「というか…俺には誰とも話さないように
って釘刺したくせに…自分は平気で
浮気するん…?」
心のモヤモヤは収まらず俺はその日
寝る事ができなかった。
コメント
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続きが気になってしょうがない!もう最高過ぎます✨
続きが楽しみです!