三×夢
記憶改竄
例の日に投稿出来なかったので原作更新前に載せときます
「トリックオアトリート~!!」
なぜ開幕早々にこんな事を言うか感の良い人はお分かりだろう。
そう、今日は所謂ハロウィンというイベントだ
「ハロウィン」。
それは元々は死者が生き返る。そして人間だとバレない様に
西洋・東洋の伝説、妖怪じみた格好をしたのが発祥だ
(仮説あり)
「お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞ~!」
「ハロウィン楽し~!」
私が今いる渋谷スクランブル交差点には例のトラックひっくり返し事件以来、警備員がびっしりと街中に配置されている。
これも近年のハロウィンニュースではよく見る光景だ。
「お姉ちゃんカワイーネー!」
「ん?誰ですか?いや赤の他人なのは知ってるけど…」
手には白くシュワシュワと音を立てている透明なほど透き通った黄色の飲み物。あぁ、ビール飲んで酔っ払ったアホがナンパしてんのか。バカはホント“良い“女にしか目がねぇな。
「あの…私は仮装しただけのハロウィンエンジョイ勢で…」
「仮装姿もカワイーし良いじゃん!ホテル行こーよ!」
「えっ」
「そのぉ…待ってる人がい、いるので…」
「いいじゃーん!ちょっとだけだからさぁー!!!」
アルコールが入っているせいか徐々に男の本性が露になる。
バカさとホテルに連れ込みたい欲が丸出しで。
「別に行ったってよくね?何もしねぇし」
「だから….」
「いいから来いよって!!!!」
手首を強引に、強く掴み。
ホテル街へと連れていこうとするその時。
「ちょっとタンマしてクレメンス」
「あぁ…?何だこいつ」
酒で苛立ちやすくなっている男の腕を握っているのは。
薄ピンクのセミロングヘアー、薄緑の綺麗な瞳、何を考えているか初見では分からない整ったその顔。
「三丈目さん!」
「おまいらが彼女を連れていける可能性はnot微レ存」
「何言ってんだか訳分かんねーんだよ!」
「き…気持ち悪ぃ!!」
「….は?」
先ほどまで丸い瞳が彼を馬鹿にされた瞬間。
針のように鋭い瞼、おまけに下の人間を蔑む視線。
段々と怒りが沸いてくる
言葉ではなく雰囲気で伝えるその姿は、お前の顔覚えたからなと言わんばかりの圧。
「ひっ….ヒィィィ!!!」
「覚えてやがれー!!!」
そうするとナンパしてきた男2人組は昭和時代に取り残された捨て台詞を吐いて逃走していった。
(トラックひっくり返して警察の世話になっとれ….)
と思ったのは彼女だけだ。
それなりの報いを受けてほしい、と切実に願うばかりである。
「それでさ~私可愛い?」
「ナイスぅ~」
「やったー!」
ガチャッと玄関の扉が開く。
「ただいまー!」
先ほどとは打って変わって綺麗な声。
例の交差点から撤退し自宅に帰ってきた所だ。
「えっちょっ」
彼にお姫様抱っこで抱えられてどこかに連れて行かれる。
「三丈目さん!?」
「…..ボク以外に話さないで下さい」
静かなトーン、耳元でそう囁かれ後ろからギュウっと
高身長の男性に後ろからハグされている。
あの時は言えなかった気持ちが波の様に押し寄せてきた結果
こうなったのだろう、にしても可愛いな
「なるべく気を付けてみるからさ…離してくれる?」
「ヤダ」
「え!?」
あっさりスパッと言い切られた。
外でこれやると新婚夫婦の掛け合いみたいで周りからは野次
飛ばされるけどね。
「(….ん?あれ…?何で私こんな状況になってるんだろ…)」
「(てかこの人彼氏だっけ…恋愛経験が一切無いこの私が?)」
「(何でだろ…何で….)」
「如月さん」
「っひゃい!!」
いきなり名前を呼ばれ驚き返事が宙を舞う。
「反応が無いので、何か考え事を?」
「いえ…何も….」
おかしいなと思いつつも特に違和感は感じなかった。
今日も一緒に同じベットに入って寝るまでが2人の幸せだ。
2人は付き合ってるって設定に記憶改竄したけどあまりにも意識が強くて度々記憶の上書きをしないと忘れちゃうんだよね!
独占欲強めで他の男と話してると嫉妬しちゃう超可愛い子だよ!
えー…..ヘッタクソですね!!!
コメント
1件
あまりにも尊すぎるよね?マジで