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「あのさ…阿部ちゃん、今夜の事なんだけど…」
2人きりになった時、翔太が俺に声を掛けて来た
もしかしたら、今夜の相談だろうか?
「うん。何かやりたい事でも見つかった?」
阿部は、嬉しそうにそれに応える
「あのね…阿部ちゃん…」
翔太が、ほんの少し…言いにくそうにしている所を見ると
良くない知らせなのかも知れない…
嬉しそうに、聞いて来る阿部に…渡辺は真面目な顔で、こう告げた
「康二達の誘い…俺の事は気にしなくて良いから。行って来てよ…」
阿部は、その言葉に…一瞬何を言われたのか分からなかった
『今夜の予定が全部無し?翔太の家にお邪魔して…あんな事やこんな事…色々しようと思っていたのに…』
「………」
阿部は黙り込み…俯いて何も声を発さない
「阿部ちゃん?」
渡辺に声を掛けられるが…ショックのあまり顔が引き攣る
「今夜の事…凄く楽しみにしてたの。俺だけだったんだね…」
その言葉に、渡辺の顔が一瞬…曇ったのに気付いたが
言葉に出してしまい、訂正が効かない…
「違う…俺は、そう言う意味じゃ…」
「分かった。今日は、康二達と飲みに行って来る」
ショックで周りが見えなくなっていた俺は…
思わず、強めに言ってしまった
「ちょっと、ごめん…」
そんな俺に対し渡辺は、そう言って立ち上がり…逃げる様に去って行った
「………」
取り残された阿部は驚き…居なくなる前の、渡辺の顔を思い出す
『俺、翔太の事…。泣かせた?』
焦れば焦る程、足が動かず言葉が出ない…
少し考えれば、分かったはずで…
翔太が今夜の事を喜んでいなかったはずもなく
『俺…どうしよう…』
自分が犯した失態に…阿部は1人で頭を抱えた
『どうしよう…』
いくら待っても翔太は帰って来ず…
何処に探しに行けば良いのか、考えあぐねていると
突然、スマホが着信を告げ、開いて見ると翔太から…
【もう阿部ちゃんに、迷惑を掛けたくないし…俺達、今日で別れよう】
その文面に、頭はパニック…
冷静に考える事も出来ず…返事も返せず
別れのLINEは、既読無視の状態に…
『どうしたら、許してくれるんだろう…』
そればかりが、頭をよぎり…
阿部の目に、ジワリと涙が溢れ出た
コメント
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なかなか上手くいきませんね🫣🫣

