テラーノベル
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むむむ。数十分経過しても蒼が離れる様子がない。映画は中盤をこえ、クライマックスにたとうとしているというのに、私は未だに映画に集中出来ていないのであった。
いっそ、このまま恥じらいを捨てた方が楽なのかも…???
作戦1
恥じらいを捨てる
よし、映画に集中してみよう。自分の心臓がドクドクなっているのがわかる。映画の音も鮮明に聞こえて、今ならなんでも聞けそうな気分だ。
水がポトポト落ちる。この静けさが余計怖いのに…
で、でも!この闇を暴かないと、王子は一生解放されない…
いちかばちか、やるしかないんだ!!
私は封印された箱に手を伸ばす。そして重い重い蓋を開ける。
「ぎゅえ!?」
「う、うわあ!?」
急に蒼が声をあげた。
私も蒼の声につられて叫んじゃったよ!?でも、恥じらい捨てれてるくない??もしかして作戦1で成功ですか!?私天才!?
よくわからん優越感に浸っていると、蒼が突然ぎゅっとわたしの腕にしがみついてきた。
な、何!?(`・ω・´)ナヌッ!?
少しだけ、離れて手掴むだけだったのに…
ど、どうしよう、蒼の顔が近い…
あの、爽やかな夏の太陽みたいな笑顔が今は、子犬みたいに怯えてる。
なんだろう。む、胸がザワつく…
私は、結局映画に集中できず、自分の顔が赤くなるのを感じることになった。
主人公のエレナが呪いの王子様サーダンを助けてあげるというハッピーエンドの最中。二人は仲良く手を取り合って、夕日に染まる、道を仲良く駆け抜けていっている。
この二人にももしかして”そういう”感情があったのかな…
ぼーっと2人の姿を見つめながら、
私は自分の蒼への気持ちについて考えていた。
蒼は、私の事どう思ってるんだろう。今もくっついているけれど、
これは、私だからくっついてるのか、怖いからなのか。
私だからっていう理由だったらいいのになぁ。それだったら、どれだけ嬉しいことか。
そんな夢みたいなことをなんとなく考える。映画の雰囲気をだすために消した電気の下で、私たちはカップルみたいにくっついて映画を観ている。2人して、映画というより、ほかのなにかに集中しているようで、
この二人の間には何があるのだろう。