一歌「…朝?」
めんどくさい朝に向かって「はぁ…」と、ため息を吐く。ベッドから起きたら、リビングへ行く。お母さん、お父さんの朝ご飯を作らないと。
…どうせ、食べてくれないだろうけど。私が作ったご飯を食べないくせに、毎日毎日「作れ」「作れ」って言う。
そんな思っていたら、ご飯が出来た。まぁ、3人分(私の3食分)だけだけど。
一歌「…いただきます」
誰もいないリビングで、独り言のようにつぶやく。お母さんとお父さんは、9時くらいから仕事が始まる。だから、起きるのは8時くらい。私が通っている学校――宮益坂女子学園。通称、宮女は、8時15分までに登校しなければいけない。だから、家を出るのは大体、7時45分くらい。
一歌「ごちそうさまでした」
ご飯を食べ終わったら、学校へ行く準備をして学校へ行く。ただ、それだけ。とりあえず、部屋に行こう。数分後、学校へ行く準備は出来た。
一歌「…いってきます」
自分でもよくわからないが、私の顔はその時、歪んでいたと思う。ドアを開け、いつもの通学路を歩く。1人で。昔は、4人で歩いてた道だったのに。いつの間にか、嫌われて、遠ざかれたようだ。幼馴染――志歩、穂波、咲希が言っていたことだ。「仲良くしてたのは、ほんの気まぐれ。私達、あなたと一緒に居たくないの」そう、言っていた。私にはよく分からなかった。ずっと、ず〜っと続くと思っていた日常が――救いが一瞬で消えたのだ。いや、元々救いなんて無かったのだろう。
?「星乃さん?」
ふと、私の名前を呼ぶ声が聞こえ、顔を上げればそこには、朝比奈先輩がいた。
まふゆ「おはよう、星乃さん」
一歌「おはようございます。朝比奈先輩」
まふゆ「ねぇ、星乃さんが嫌だったらいいんだけど、一緒に学校まで行かない?」
その問いを聞いたときはびっくりして、言ってしまった。
一歌「すみません。今日は急いでるので」
まふゆ「あ、星乃さん!」
すぐに、逃げ出してしまった。本当は、すごく嬉しかったのに。でも、私といるとその人がみんなに――遠ざかれるから
一歌「…なんで、こうなっちゃったんだろう。もう、あの時には…戻れないのかな…」
1人で通学路を歩きながら、思ったことをつぶやく。つぶやいたら、余計に咲希達のことを思い出してきた。
一歌「…早く行こう。今日も、頑張らなきゃ…」
そうつぶやくと、一気に通学路を走った。
これが、私の朝。
昔とは違う…朝。
コメント
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あぁぁ…(凄すぎて浄化しちゃってる)