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サイド タエ
皆が話し合いをしている中、私はあの青年のことを考えていた。
「んじゃ、早いうちに行くか!」
「ルネは相変わらず、生徒会の方が忙しいみたいだがな……」
マオがため息を吐く。この流れで、自然に……!
「っあ、わ、わ私も、用事があって、しばらく……一緒に活動出来ないかも……」
「珍しいな、タエが用事なんて。なんかあったのか?」
うぅ、マオ……!お願いだから追い打ちをかけないで……!
「あの…………チョットタイセツナ……」
グルグル目を回しながら、私はそう答えた。
「私がタエに頼んだの!男子には言いにくい頼み事だから、なるべく聞かないで欲しいな!」
えっ?キリちゃんがそう言ってウインクする。
な、なんだか分からないけど、助けてくれたってことだよね……?
「あ、ありがとう……!」
私は小声でキリちゃんにお礼を言った。
「いいって!それよりもデート、楽しんできなよ!!」
キリちゃんが笑ってそう返す。
…………で、えと?
一瞬、意味がわからなかった。脳内変換でキリちゃんの言ったことを理解して、すぐに顔が真っ赤になる。
「ち、違うもん!!!」
「あはは!冗談、冗談!」
うぅ……。絶対からかわれた……!私の方が一応歳上なのに……!
「……デートじゃ、ないもん」
誰にも聞こえないような声で呟いた。
だって、私が本当に好きなのは……。
チラリと私は横目でキノを見る。直視出来なくて、直ぐに顔を背けてしまったけど。
……私は、いつかこの想いをちゃんと伝えられるのかなぁ?
(ううん、今は目の前の作戦に集中しなきゃ)
私は雑念を振り払うように頭を振った。