テラーノベル
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設定おかしいです。
👑「」
🍵『』
―――
、、、プルルルル…
『……、?』
鳴り止まない着信音。
俺のスマホからではないし、
多分…というか絶対、
恋人のスマホからの着信音だ。
その恋人はみこちゃんで、今はシャワーを浴びている。
…プルルルル……
うるさい、しつこい。
『……』
周りを見渡してもみこちゃんのスマホは見当たらない。
このまま放置するのも嫌なので、
スマホを探すことにした。
『…ない、』
全く見つからない。
だけどきっとこの部屋の中にある。
少しこの音に不快感を抱いた頃、
こんな所にあるわけが無いと思いながらも
なかなか開けることの無いダンボールを開けた。
ぷるるるるっ
『……え』
見つけた。みこちゃんのスマホ。
ダンボールの中の荷物に紛れていた。
『…』
『…、ぁ…』
そうだ、電話。
これほど長く音が鳴っていたということは
それほど急用なのだろう。
とりあえずみこちゃんに着信があったことを伝えなければ。
……
ピコンッ
スマホを持ち上げたと同時に画面を見ると、
暫く鳴っていた着信音が消え、
1件のメッセージが届いた。
《なつ : 明日何時に家行けばいい?》
『……ひまちゃん、?』
今まで鳴っていた少ししつこい電話も、
同じグループのメンバーのひまちゃんだったらしい。
『、家…?』
みこちゃんと俺は同棲している。
なのでひまちゃんが言う「家」とは俺が今いる所。
いや、俺なんにも聞いてないんだけど……
…そういえば、昨日みこちゃんに
明後日の予定を物凄い勢いで聞かれた。
それで俺は、いつも通りの時間に家を出て、
いつもより少し遅めの帰宅になる、と話した。
『…うーん。』
明日きっと俺が家に着く頃には
ひまちゃんは帰っているだろうし、俺は会えないと思う。
俺も話したかったなぁ〜と呑気に考えていると
みこちゃんが浴室の扉を開ける音が聞こえる。
『あ、……』
どうしよう。
まずなぜここにスマホがあるのかも
不思議でしょうがないのだけれど…
スマホを戻そうか……
あ、ひまちゃんからの連絡を伝えないと。
「……ふぁあ…、っ。」
『ぁみこちゃん、おかえり』
「ただいまぁ〜」
『ぉわ、髪まだ濡れてるよ…!』
「ぁえ、ぬれてる……っ?」
『ふふ、ドライヤー持っておいで。笑』
「はぁい、!」
溺愛している恋人の眠そうな顔、声、足取り。
全てが可愛くてしょうがない。
「おねがいします、!」
『はーい。笑』
『……あ、そうだ』
「ん、?」
『ひまちゃんから電話来てたよ。』
みこちゃんにスマホを渡そうとした。
「、っ!?ぁ、あぁ…!」
焦る必要は無いはずなのに明らかに動揺している。
『……、。』笑
『どうしたの、みこちゃん。』
「ぇ、?」
『何か不安?』
「ぁ、……ぇ」
『…今、ひまちゃんに話したいことが出来た』
『明日来るんでしょ?』
「なんで、それ」
かわいい。
なんで泣きそうなの、なんで困ってるの?
みこちゃん。
どうして?
『……ふふ、みこちゃんは…
俺が馬鹿じゃないの、
1番知ってる人だと思ってたんだけどなあ。……笑』
額から垂れている水滴も拭き取れていなかったシャワーの水か…
焦っている証拠。
今日はその証拠を消してあげる、
とみこちゃんの頬を拭う。
「、…ちがぅ、の、…。」
『なに、俺は何も言ってないよ。』
「っ、ッひ、…゛ぅ、ッ゛」
『……もう馬鹿なことしないで。』
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