今日は日曜日。明日、やっと学校に行ける。
この前お見舞いに来てくれた人達に感謝を伝えるんだ。
そう思いながら今日も部屋の整理を始める。
ブロンド髪の彼の写真やスクラップがじゃんじゃん出てくる。
パソコンを起動させると沢山の彼の写真にハートマークが書かれまくっているホーム画面。
挙げ句の果てには天井の紐を引っ張ると、
彼の1ヶ月分のスケジュールが出てきた。
「あぁ。何やってたんだ、私…。」
これじゃあまるでストーカーだ。
「マリネット、ルカが来たわよ。あがってもらっても良い?」
ママが下から問いかけてきた。
「あ、うん!良いよー!」
反射的にイエスを答える。
ルカは、クラスメイトのジュレカの双子の兄らしい。
その彼がどうして家に?
そんな疑問を抱きながら部屋のブロンド髪の彼に関する物を隠した。
下向きに付いているドアからノック音がするとルカと思われる人物が入ってきた。
わぁ美少年…。青のグラデーションが似合ってる。
「やぁ、マリネット。体調はどうだい?」
ルカが微笑みながら言った。
「大丈夫!とっても元気よ。でも私…」
「記憶喪失なんでしょ?ジュレカから聞いたよ。ママママリネット。」
いたずらっ子の笑みを浮かべる。
「えっ!嘘!そんなこと言ってた!?」
なにそれ!?私はマは一つしかないよ!
彼に会ったとき私はそんなに挙動不審すぎる自己紹介をしたのね…。
「初めてあった時に言ってたよ。しかも今と同じ反応も。」
「からかわないでよ〜!」
「あはは。ごめんごめん。」
なんでこんな人たちを忘れちゃったんだろう…。
「私とルカってどんな関係だったの?」
何故かただのクラスの友達の兄とは違うような気がする。
「君と俺の関係はそうだなぁ…君の誰も知らない事も知ってる…」
何だろう…。悩んでるということは友達などでは言い表せないと言うことだろう。
私の秘密を知ってるってことは、
「秘密の共有者?」
私がそう言うと彼はなぜか儚げに笑みを浮かべ
「うん」と短く応えた。
「ところで私の秘」「ピロロロロー!」
私の言葉を遮るように突然彼のスマホが鳴った。
「ごめん俺行かなくちゃ。今日午後空いてる?」
「え?うん空いてるよ。」
「君に一刻も早く逢って欲しい人が要るんだ。」
「じゃあまた後で、マリネット」
彼の去っていく背中を見送った。
けれど彼のあの顔が頭から離れなかった。