ノベル版.ホプエンさんのシェアハウス
episode.I 猫
「〜ぁ”ー!!さいあくー!!」
「まぁまぁ…」
6月下旬のある日。
青空高校、生徒会 のメンバーは
シェアハウスのリビング内で 王様ゲームをしていた。
今回の王様は、希咲羅。バツゲーム…いや、命令は、〈コンビニへの買い出し〉。
見事番号を指名された、私、「宮白 夜月」
そして、「日野 るぅあ」は
暗い歩道を歩きながら、近所にあるセブンイレブンへと向かっていた。
ハーゲンダッツとか、プリッツでも買ってすぐ帰ろう…。6月下旬とはいえ、梅雨は過ぎてもうジリジリと暑い。
今日なら、ガリガリ君とかが丁度いいだろう
ジー、と蛍光灯が音を鳴らし
すぐ側からは、カエルがゴロゴロと鳴いている。
青空学園自体は都内にあるものの、シェアハウス自体は多摩地方にあるため、駅から 少し離れるともう随分とゆったりした町になる。
それに、夏近くの夜は割と好きだ。
ー入店音が店内に響き、涼しい風が外に漏れ出る。
揚げたてであろうチキンの匂いが入口まで来ており、ついさっきまでピザを食べていたはずなのにお腹が鳴りそうだ。
「アイス何にしよっか迷うべ」
「みんな、何が好きなんだろうね」
カゴを手に取りアイス売り場へと足を運ぶ
それまでにカップ麺やお菓子等、美味しそうな物が並んでおり
相変わらずコンビニは誘惑が沢山…と実感する。
「私、ガリガリ君にしよっかな〜」
「いいね…私はしろくま〜」
それぞれ好きなアイスを籠に入れ、 他の子達の分は箱入りのハーゲンダッツを選ぶ。
いちご、バニラ、クッキー&クリーム…
どれも美味しそう。アイスふたつ買っちゃおうかな
「たくさん買っちゃったねぇ〜」
「そだね、、お菓子たくさん」
「みんな喜んでくれるかなー!」
ぴょんぴょんと隣でジャンプするるぅあは
いつになく上機嫌で、こっちまで嬉しくなってくる。
にゃー。
「…あ!?」
道を歩いていると、路地裏へと入っていく猫。
にゃーにゃーと鳴きながら、だんだんしっぽが遠くなっていく、しっぽに鈴を付けた猫。
飼い猫かな…。
「ねこ!!ちゃん!!」
「ちょと、るぅあ!?」
そんな猫につられ、だんだんと路地へと入っていくるぅあを追いかけ、どんどんシェアハウスの方向と逆に向かってしまう。
早く帰らないとなのに…と焦るが、こうなってしまえば絶対にるぅあは猫を追いかける。
一通り飽きるまで付き合って、ダッシュで帰ろう…と決意した。
「は、…はぁ…」
「絶対ここ入ってった!!」
と興奮気味に喋るるぅあ。
恐らく既に深夜テンションなのだろう。。
まだ8時半だけれど、、
なんとか行き着いた先は駅近くの公園。
でもここは、夜は治安が悪いって噂…
案の定、自販機の近くには不良と思わしき人がたむろしていて。
それにも関わらず、るぅあは躊躇なく公園へと入ってゆく
「る、るぅあ…」
(不良多めの公園に女子2人はまずいって…!!)
ゆなに怒られちゃう…と半ば泣きそうになりながらもるぅあについて行き
先に行ったるぅあは、とっくに猫を手中へと収めていた。
「がちかわよすぎ…モフモフ〜!!」
「ふぅ…良かった、」
猫はゴロゴロと喉を鳴らしており、ようやくそろそろ帰れることに私は安堵した。
のも束の間、背後から声をかけられる。
「なぁ、君らこんな夜遅くに何してるん?」
オラオラエセ関西弁系不良。ちょっとイケメンだけど、残念…タイプじゃない。
「…猫と戯れてました!」
るぅあがにこりと笑い対応してるが、目の奥が笑っていなくてもはや恐怖すら感じる。
うっすらとるぅあから殺意が立ち込めているのを感じたのか、猫との時間がそんなに大事だったん…?と不良はたじろいでいた。
「ぁー、えっとな
猫より癒しーになることせんか?」
「…遠慮します」
「なんでやねん!!
そんな遠慮せんでええのに!
あんたら、可愛ええやんか」
「そーそー、一緒に来ない?」
4、5人不良が増え、なんだか面倒なことになりそう…
どうしようかな、と考えていると
ポケットの中が振動した。
「…あ、ゆなから…。」
LINEが来ていたものの、外でGBが無く
遅れて今メッセージを受け取ったようだ。
『遅いけど大丈夫?
変な人に絡まれてない?』
というメール。
そしてその数分後に
『流石に心配だから
探しいくわ』
というメール。
恐らく、これは20分前程に送られてきただろうから……
「…!!」
やばい、そろそろこの公園にもゆなが来てしまう…
きっと、この状態でゆなが来たら…
『なんでこんな真反対まで行っとん!?
不良にも絡まれとるし……
ほんまに…!!これから夜間の外出は禁止やからな!』
って言うのが予想できる…!!!
まずい…まずいよ…!!
「…るぅあ、何分でいける?」
「1分もかからない!」
「1人10秒ね」
「りょか!」
「…は、何________ぐえっ!?」
こうなったら手段はひとつ…!!
拳で解決するしかない…!!!
(まぁ先に絡んできたのはあっちだし正当防衛ってことで…)
何て言い訳を考えながら、ひたすら拳を振っていた。
「……ぁ!おった!! 」
「ママ!!!!」
こうしてぴったり1分。ゆなも丁度公園へと来て、なんとか絡まれてるところは見られなかった。
「…なんで人倒れとん?」
という質問には、酔っ払ってたから休ませてた、と言い訳をして。
ほんと、夜遅くで暗くてよかった…
結局、猫はどこかに行ってしまったけど
…まぁ、いいか。
コメント
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女子組強ぇ…まぁ不良さんは自業自得ということで 後ハ/ーゲ/ン/ダッ/ツって高いと噂の…… そしてノベル版だぁ!チャットノベルとは違う楽しさがある…。