テラーノベル
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あの後、ほかのメンバーが、1人、また1人とステージを終えて帰ってきたので、3人はそれぞれ楽屋に荷物を取りに行って、足早に帰った。なにも話しは終わっていないし、3人の気持ちはバラバラだった。何か前進したものがあるとするならば、佐久間が照とめめの気持ちを知った事だ。
みんな仲の良いメンバーだと思う。
男子校のノリでワイワイやっているのが楽しくて、スキンシップを取るのだって、気を許し合える仲間だからだ。
恋愛感情とか考えたことがなかった。
(2人はオレのこと好きなんだ……
でも2人は仲間で…
あぁ〜もう!わかんないよ!)
佐久間の頭の中はモヤモヤしたり、グルグルしたり、大変なことになっている。
感情が定まらなくて、不安定だ。
不安定すぎて、2人の前で涙を流してしまったし。
(はっずかしい)
帰り道、佐久間は自ら運転する車の中で、グルグルと思いを巡らせていた。
あんなふうに泣いている照なんて見たことがなかったし、あんなに感情を剥き出しにしてる照も見たことがない。いつもはクールだし、何事にも動じない。
そんな照が泣いてた。肩を震わせ、目を赤くして。
それとは対照的にめめは落ち着いていた。冷静で。でも、めめの目は鋭く光っていたように思う。
「照……めめ……」
2人の名前を口に出してみる。
2人の顔が浮かぶ。
どちらも好きだと思う。
佐久間はため息をついた。
2人に想われることは嬉しいことだ。女の子だったら、きっと舞い上がっていたに違いない。
でも佐久間は男で……
そして2人のことはどちらも好きで……
ずっと考えながら、駐車場に車を停めた。
またため息。
ハンドルを両手で握り、その手に顔を埋める。
(なんでこんなことになっちゃったのかな……
オレは、照もめめもどっちも大好きなんだ!)
口を歪める。
泣きそうな顔になる。
考えすぎて、泥のように重たくなった体をなんとか運転席から下ろす。
荷物を手にして、少し強めにドアを閉めた。
駐車場の中で、その音が響く。
想定より大きかった音に驚いて身をすくめる。
人の気配がした。
一瞬のことだった。
(え…)
佐久間の車の前に人が立っていた。
びっくりして、身を縮める。
「佐久間くんと話がしたくて来ちゃいました。」
めめだった。
「めめ?! 」
「マネージャーさんに送ってもらったんだ。どうしても佐久間くんと話がしたくて。」
そういうと、めめは優しく微笑んだ。
佐久間はめめの笑顔になぜかホッとした。
「はい、コーヒー。」
「佐久間くん、ありがとう。」
めめは佐久間からカップを受け取ると熱さに気をつけながら1口飲んだ。
そしてはぁ〜と息が漏れる。
「美味い。」
「そりゃ、佐久間さんがいれたんだから美味しいに決まってるだろ」
そう言って笑い合った。
穏やかだ。
しかし、先程の3人の事を思い出す。
佐久間は一瞬にして笑顔が消える。
めめはそれを察する。
そして、めめは話し始めた。
「佐久間くんは先輩で、前から知っていたけど、同じグループになって意識し始めたんだ。」
両手でカップを持ち、それを見つめながら話す。
「意識?どんな風に?」
「最初、笑顔が可愛いなって思ったんだ。この人の笑顔は周りの人の事も笑顔にしてくれる。ずっと見ていたいなって思ったんだ。」
佐久間は顔を赤らめた。
めめに褒められてしまった。
めめが話を続ける。
「で、よく笑うし、よく動くし、俺の周りにたまに来ては、ドキッとするようなスキンシップを取っていく。」
佐久間は無意識にそういう行動を取っていた。
そんな自分が恥ずかしくなる。
(思わせぶりな態度とってたのかぁ〜)
「そんな可愛い佐久間くんに恋に落ちるなんて容易だった。その笑顔を守りたい。自分にだけ向けて欲しい。独り占めしたい。」
「ちょっ、めめ、恥ずかしいってば!」
「もっと恥ずかしくなるよ?」
めめはイタズラに笑う。
「佐久間くんのことが気になって、ずっと目で追ってた。
佐久間くんは可愛いだけじゃなくて、凄く色っぽいんだ。
美しい横顔。首元のハート。抱き心地の良さそうなしなやかな体。」
めめは熱っぽく佐久間を見つめた。
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この後どうなるか楽しみです🩷