エーミール「ゾムさん、起きてますか?」
「おー…今何時や?」
エーミール「11時前ですね」
「了解」
俺は睡魔に襲われ、布団に覆いかぶさられる形で目を閉じる。
エーミール「ちょっと〜ゾムさん!」
エーミールが俺に囁きかける。
耳元に生暖かい風が入る。未知の感覚に俺の耳は耐えきれず赤くなる。
「いきなりそれやめてくれ」
エーミール「?」
まったく鈍感な男だとつくづく思う。これで何人の人を落としてきたんだろう。
「寝てもええか?」
エーミール「駄目ですよ。ほら!本借りてきましたから。」
そう言って誇らしげに手を広げ、まるでトロフィーを見せつけるように本を見せびらかす。見た感じは推理系の本のようだ。
エーミール「これ面白いんですよ〜!特に〜な所が〜〜…」
何を言っているのかいまいち分からないが、エーミールが楽しそうならええんかな。にしても本好きなんやなあ。
「内容はどんなんなん?」
エーミール「それは読んでからのお楽しみってことですよ!」
「いつか読むわ…」
エーミール「絶対読まないやつじゃないですか」
口を押さえて笑うエーミールの姿がうっすらと見える。世界は暗くなったりを繰り返している。
エーミール「じゃあ読み聞かせにしましょうか?」
瞼を上下しだした俺に、苦笑いをして提案する。
「小さめの声でよろしく」
エーミール「なるべく小さめで行きますね。」
エーミール「森を抜けると、そこは湖だった。僕は–––––」
「…..」
エーミール「–––––は––––を抱きしめ、そして–––」
エーミールの声で起きる。窓から太陽が覗き込み、俺の目を直接攻撃する。俺は目をぱちぱちさせ、慣れた頃にむくりと体を起こす。
エーミールがこちらを見てニコッと笑う。
エーミール「おはようございます、ゾムさん」
「おはよう」
「ずっと読んでたん?」
エーミール「読み返してみると中々面白くて…私の自己満で読んでました笑」
「そうか笑エーミールってほんまに…」
エーミール「エミさんでいいですよ」
「ん、じゃあ。エミさんにするわ。」
そう言うとエミさんは嬉しそうに笑った。
12:00
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次回emsideをあげますが少し短くなると思います、すみません
小説初心者なもので言葉選びにいつも頭抱えてます笑
コメント
5件
鈍感なemさんもいいな…可愛いすぎますわ…