拝啓
大寒を迎え いよいよ冬将軍の到来でございます 「貴方」は、お風邪など めされていらっしゃいませんか。
此方は、いつも通り貴方の願いと自我を保つ為に家族に貴方の心身を崩壊させないようにしております。
僕はいつも通り____
家族の支えへと成れるように、貴方の願望となった理想の人に成りたい為に「僕」を演じてます。
貴方は年末年始の体調を崩したあの日に
「一人称」(私)を破り捨て、傷付けたくない自我を持ちながらも「僕」を「演技」しました。
それは貴方の「一人称」(私)が持つ「精神」を「自己防衛」する故に行った「行動」ですよね。
タロットアルカナである「塔」の「正位置」である「崩壊」を起こしたくないからですよね。
「貴方」は今…
タロットアルカナで例えると「吊るされた男」の「正位置」と「隠者」の「正位置」のような性格を保ちたいのです。
逆に言えば今の現状は「月」の「正位置」___所謂、「現実逃避」をしているのでしょうか?
月のタロットには(Wikipedia参照)
正位置の意味
不安定、幻惑、現実逃避、潜在する危険、欺瞞、幻滅、猶予ない選択、踏んだり蹴ったり、洗脳、トラウマ、フラッシュバック。
逆位置の意味
失敗にならない過ち、過去からの脱却、徐々に好転、(漠然とした)未来への希望、優れた直感。
の意味があるようです。
今の「僕」は「月の正位置」のような考えや思考を持っているのです。
逆に言えば「月の逆位置」にある「過去からの脱却」をして、脱出を測りたい……
そう考えて入るのでしょう。
貴方は「僕」を「演技」しておりつつも「現実逃避」して「自己防衛」をしながらも心身を保つ生活をしているのです。
辛いですよね?「独りで留守番」を行うのは。
悲しいですよね?「人が亡くなり、失う事」を経験しながら後を引きずり未練を持つのは。
新年となり、現状維持をしております。
どうか、助けてください…と声が詰まる言えない貴方に言いましょう。
助言でも、指摘でも、相談
でも良いのです。
大切なのは、話す行動をすべきなのですから。
敬具
「私」から「僕」になった貴方へ
___より
「……なんて、これが僕を書くなんて些か新年に変わってるのかな」
スーツを着ている成人女性は、古びたオフィスの一部屋にぽつりとそれを語りながらも手紙を書いていた。
包帯で隠している、左目は機能を失っておりながらも額と共に隠れていた。
謎の力すらも封じ込める為に、自分の利き腕と利き手すらも包帯で封じ込めたのだ。
「ねえ…どうして僕は「刹那」と言う名を付けられたのかな」
語りかけても答えない「審判のタロット」へ聞こえない声で話していた。
かつて、タロットアルカナには人格を持つ人ならざる種族が存在していたが大半は消滅してしまったのだ。
「……否、審判はもう消えてしまったのだね。僕に出来る限りの範囲でしないとね」
肩がけしていた黒スーツの上着を翻しながら、古びたオフィスの一部屋を出る。
利き手では無い手には、現代銃の片手銃を持ち。
利き手である手には、見ていた手紙を持ち。
「____さあ、今日もまた散歩(逃亡)をしないとだ。」
その一言を放った後に、古びたオフィスの一部屋の扉を静かに閉じたのだった。
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