小説
君とあったのって……確か……
ああ……そうそう……百年戦争の時だったね……
その時の僕らってさ……犬猿の仲だったもんね……
だけど……君と会ったあの……火の海の中の戦場……
君に一目惚れしたんだ……敵なのに不思議だね……
紳士的で、時に皮肉屋で、頭がきれるちょっとしたすごい英国紳士でもあり……当時の戦士だった君の事を……
愛おしく……可愛らしく……魅力に溢れている人間と思った……そして……僕にない「何か」が君にはある……
だけど……僕はその百年戦争に負けてしまった……その時は……
憎しみ、恨み、怒り、悔しさ……色んな感情が僕の中に入り交じっていた……
もちろん……君の事を僕の手で……苦しませながら殺してやりたいくらいだった……
なのに……なのに……なのに!!……殺せなかった……
なんでだろう……人を殺せる勇気がなかったから?誰かに復讐されるのが怖かったから?それとも……?
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それから、君とは何度か戦争をしてきたね。
勝ったり、負けたりの繰り返しをしながらも戦ってきたね……
でも、僕は君と出逢えると思って……
戦争の度に……不思議と嬉しくなるんだ。
なんでだろうね……戦争なのに……あんなにも嬉しくなってしまうのは……
そして……欧州のみんなと植民地の競走をするようになった時代になった時でさえ……
また、君と争うようになった……
その時は僕の負けだったけど……不思議と悔しくなかった。
新しい植民地を手に入れても……君以外の国との植民地の奪い合いで勝った時でさえ……
全く嬉しくなかった……
そして……あの時が来た……
第一次世界大戦と第二次世界大戦だ。
第一次世界大戦なんかほんの子供のお遊びのようにドイツ帝国に勝てた……
なのに……あいつは……大人しくする所かそれ以上に暴れてしまった……
そんなやつを止めるべく、僕はたった1人であいつと対峙した……
だけど……それは間違いだった……
そのあと……僕はヴィシーと分かれてしまった……
その時僕は、ヴィシーとは違う道を選んだ……それは……
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ドン!!
🇬🇧「?……フ、フランス?!」
🇬🇧「どうしたのですその傷?!」
🇬🇧「もしかして……奴に……」
🇬🇧「……なるほど。事情は分かりました……」
🇬🇧「今は……休んでてください……」
その時の君は……何処か頼もしいような感じと……怒りや憎しみに囚われているような感じがしていた……
本当は……君は……あの窓に写っている景色をずっと……ずっとみていたいと思っていただろうに……
だけど……僕が戦いに負けた所為で……君をも巻き込んでしまった……
本当に……申し訳ない……そうずっと思っていたよ……
だけど……そんな事を思っている暇なんてなかった……だから僕は……
「自由」のために……自分の中にある全てを捧げながら戦った……
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そして……今……
平和になった今でも……君の事を……好いているよ。
そして……僕は今……恋以上の……
愛以上の「何か」……そう……僕は……
何処か深い場所に溺れているんだ……
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ブクブク……
あれ……ここは……何処……?
もしかして……僕……海に……溺れてる?
だけど……僕は……海に来た記憶なんてない……
苦しい……暗い……深い……怖い……
なのに……何故か……このまま……溺れていたい……
貴方とあったのは……何百年前の戦争での血と火の海に囲まれた大地でしたね……
🇫🇷「この声……何処かで聞いた事がある……ような……」
その時の僕は……聞いた事のある優しい声に包まれていた
あの時の貴方は……そう……たくましく、勇敢で……そして……常に美しさを纏っている不思議な人でした……
今でも……充分……美しいですよ……
作品も……仕草も……言葉遣いも……何もかも……全てが……美しい……
🇫🇷「僕が……美しい……?」
だけど……昔よりもさらに……美しくなったと言うより……「何か」が現れているんです……
美しいという言葉を上回る……「何か」が……
🇫🇷「美しいを超えた……何かが……僕に……」
フランス……貴方は……私の事をどう思ってます?
🇫🇷「ふふ……そりゃ……もちろん……」
🇫🇷「君の事が…………」
ブクブク……
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その芸術家は……そうして……
深い海に似た「何か」に……そのまま……溺れていった……
その芸術家は……その「何か」に溺れる事を本当に望んでいたのだろうか……
それとも……それ以上の望みが……彼にはあったのだろうか……
それは……その芸術家にしか分からない……
そして……その芸術家を愛している紳士でさえも……同じく……「何か」に溺れている……
だけど、二人は……お互いが「何か」に溺れている事を知らない……
お互い……「愛し合っている」以上の「何か」に囚われている事も……全く……
The end……
コメント
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(もし……これも1000いいねになってたら……)←無理だろうけど
🇬🇧編が人気あったので、🇫🇷編も書いたぜ☆(🇬🇧編1000いいねありがとう😭)