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うみ
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番外編51『赤ちゃんの子守り』後編
夜――。
『おはよう、ユリマちゃん。夜ご飯食べに行こっか。』
『⊂( ᴖ ̫ᴖ )⊃』
ニコニコと微笑む。
『ロノ、離乳食の準備ありがとうね。
ユリマちゃん、ロノ特製のかぼちゃとミルクのスープよ。あーん。』
パクっ。
『あぶぅ』
『ふふ、喜んでくれた。』
『良かったです、赤ちゃんの食べ物なんて作ったことなかったんで…』
『離乳食って難しいものね…。赤ちゃんによって好き嫌いとかまだ歯もないから柔らかいものを食べさせなきゃとか…色々考えて頑張ってるのね…。』
(私も母に感謝しなきゃ。)
『んん〜!』
『ん、どうしたの?』
『ウトウトしてますね…。』
『さっきまで寝てたんだけどね…。お風呂に入れてから寝ないと…。』
『それなら我々が……。』
『お風呂ぐらい大丈夫よ。』
『いや、ユリマって男だろ?主様の可憐な素肌を見られる訳には……』
『赤ちゃんに何対抗意識持ってるのよ。』
お風呂
『これくらいの温度かしら……。』
『きゃきゃ!』
『ふふ、気持ちいいみたいね。』
大きめの桶にぬるめのお湯をはり、ユリマちゃんを優しく洗う。
『ふふ、みんなに抱っこされると泣いちゃうなんて…困った子なんだから。みんな優しくてかっこいいのよ。ユリマちゃんのことを嫌ったりしないわ。だから、抱っこさせてあげて?』
『あぶぅ?』
『ふふっ。可愛い。お風呂入ったらもう寝ましょうか。沢山遊んで疲れたものね。』
お風呂から上がりユリマちゃんを抱っこして自分の部屋に行き、ベビーベッドに寝かせる。
『ねんねんころりよ……おころりよ……坊やはいい子だ…ねんねしな…。』
『すぅ、すぅ……。』
『ふふ、おやすみ。』
私は自分のベットに横になる。
『明日の朝に迎えに来るって言ってたわね…。最後に仕事して寝ようかしら…。』
『んぎゃ、んぎゃぁ!』
『え!お、起きちゃったの?うるさかった?ごめんね、えっと… 』
私はぬいぐるみ揺らした。
『赤ちゃんのお世話って大変ね…。』
ようやく眠りにつき、私もベットに入り目を閉じた。
深夜――。
『あーん、あーん!』
『……どうしたの?ユリマちゃん…お腹すいたの?ミルクかしら……。』
私は眠い目を擦りキッチンに向かう。
『寝不足でフラフラする…。赤ちゃんのお世話ってこんなに大変なのね……。』
と、その時――。
ガクッ!
足元がふらついて階段を踏み外して倒れそうになる。
『主様――!!』
ガシッ!
エントランスに転げ落ちる前に誰かに支えられる。
『だ、誰……?』
『ご無事ですか、主様!』
『ゆー、はん…?どうして、本邸に…?』
『外で鍛錬をしていたんです。汗をかいたのでお風呂に入ろうと思いまして。そしたら主様が階段から転げ落ちそうになるのを見て……』
『助けてくれたのね…ありがとう…ごめんなさいね、ユリマちゃんのお世話で…寝不足で…。』
ユーハンは私をお姫様抱っこする。
『キッチンに行くんですか?』
『えぇ…夜泣きをしたから…お腹すいたと思って、ミルクを…。』
『かしこまりました。私がご用意しますのでもうお休み下さい。』
『でも……。』
『目の下に隈が出来ています。これ以上無理してはいけません。』
『っ…分かったわ…。』
ユリマちゃんにミルクを飲ませ私も眠りにつく。
翌朝――。
『本当に助かりました。ありがとうございました。麻里衣さん。』
『いえ、どういたしまして。』
『これ、宜しければ頂いてください。』
『これは……?』
『麻里衣さんは和菓子が好きだと聞いていたので東の大地に仕事に行ったので練り切りのお土産です。』
『こんなに高価なもの…頂いてよろしいんですか?』
『もちろんです。ユリマもお世話になりましたし、これからも麻里衣さんにお仕事を依頼したいんですもの。』
『勿体ないお言葉ですわ。ありがとうございます。』
私はペコッとお辞儀をする。
『ほら、ユリマ。麻里衣さんにお礼を言って?』
ユリマちゃんは私の指を握る。
『まーまぁ、あいがと…』
『……!もう……ママだなんて…私はママじゃないわ、ふふっ。』
その手をきゅっと握り返す。
こうしてユリマちゃんは去っていく。
『いや〜大変だったけど可愛かったな。』
『ふふ、そうね。』
『最初は驚いたっすよ、主様が急に赤ちゃん抱いて帰ってくるんすから。』
『誤解させたわね…ごめんなさい。』
『主様に恋人ができたのかと思ったっすよ。』
『ふふ、安心しなさい。私はそう簡単に誰かのものにはならないわ。』
クスッと微笑む。
今回の件で1部の執事は火がついたようだ。
次回もお楽しみに♡