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「ねぇふーや、なんでふーやはにんげんをほろぼさないの?」
「はぁ?」
先程まで回る椅子に乗ってクルクル回っていたシルトがふと、そうこぼした。
「なに?突然びっくりしたぁ・・・」
「ふーやは、にんげんきらい?」
「まぁ、好きって言えば好きだし、嫌いって言えば嫌いだし」
【どっちだよ】
「うっせぇ」
と、風夜はウォーデンの人形に悪態をつきながら、シルトの“肉体”をチェックしていた。
シルトは依り代でも、風夜のように元から体を持っていた訳ではなく、“人形”に自身の魂を移し、動いていた。
だが、シルトの能力で、人形に負荷がかかるため、稀に風夜がその人形をチェックしていた。
「あー、やっぱ腕の筋肉の筋が数本切れてるね・・・とりあえず繋げとくけど、しばらく盾は振らないでね?」
「努力はする」
「努力“を”して」
と、風夜の手から淡い光がふわりと溢れる。
「・・・で、なんでそんな考えに至ったの?シルト」
「・・・まえに、にんむで、ひとをたてでつぶしたら、すまないせんせにおこられた」
「あー・・・」
風夜は苦笑いしていた。その話をついさっきブラックから聞いたのだ。
それを聞いた風夜は頭が痛くなった。シルトに対してでもあるが、大半は“駄神に対して”だ
(ちゃんとシルトに、“常識”を教えといてやれよこの駄神!!!)
内心駄神に対する怒りにムカムカするが、はぁとデカイため息を着いた。
駄神、言わば“神様”は今の時代はどこにいるかは分からない。
道具である風夜たちであっても、
神の信仰が薄くなってしまったからか、人間に飽きて姿を消したのか・・・ここ数万年、神様が地上に降りてきたなどという話は聞いたこともない。
今はどこで、何をしているのか・・・
もしかしたら、近くで見ているのかもしれない。
「・・・あいにく、僕は人間に敵対する気もないよ。もちろん、味方になる気もない」
「でも、すまないせんせすきじゃん」
「僕はあの子が気に入ってるだけだよーだからといって贔屓するつもりはないよ?人間は神が少し贔屓しただけで簡単に堕落してしまうからな」
「ふぅん」
シルトは興味なさげにそうこぼした。シルトにとって人間は“無意味な行動をするよく分からない生き物”としか捉えていないから、当たり前だ。
「・・・確かに、人間を好きでも、嫌いでもないよ。・・・けどね、僕は見てみたいんだ。人間の起こす“奇跡”を・・・人間は愚かで、欲深くて、罪深い、けどね、彼らは神に作られた僕でさえ驚くことをやってのけるんだ。・・・僕は、昔人間なんてつまらないって思った。けど、すまないくんに会って、人間って面白いなって思ったんだ」
そう風夜は笑った。そんな風夜にシルトはキョトンと瞳を丸くしていた。