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#山中柔太朗
Freesia
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リクエストありがとうございます…!
流石に暴力コンテンツということで設定させていただいております。
気分が優れなくなった方はすぐに閲覧をおやめ下さい。
ちょっとスプラッタすぎたかなぁ…。
「……うわ、見てこれ。今朝のニュース、近所で起きた無差別襲撃事件の話題ばっかりやな」
朝のナースステーション。
大型モニターに映し出される事件の映像を見上げながら、太智が淹れたてのコーヒーを一口すする。
「本当に怖いよなぁ……。犯人、まだ逃走中らしいし」
テレビ画面を覗き込んだ舜太が不安そうに眉をひそめると、隣でカルテを整理していた柔太朗も静かに頷いた。
「この台風に乗じてどこかに潜伏してるのかもしれないなぁ。みんなも出勤や移動、気をつけてね?」
「まあ、ここは総合病院だし、防犯カメラもセキュリティもしっかりしてるから大丈夫だろ」
「各自、防犯意識だけは頭に入れておくようにね」
勇斗がパンをかじりながら笑い、仁人も声をかけて、各自の朝の業務へと散っていった。
誰一人として知る由もなかった。
数時間後、その「最悪の恐怖」が、まさにこの場所へ牙を剥いてやってくることなど——。
昼下がり、午後1時。
台風の接近に伴い、外の空は昼間だというのにまるで夜のように暗く沈んでいた。
猛烈な暴風雨が窓を叩きつけ、急患以外の外来受診が制限された病院内は、不気味なほど静まり返っていた。
太智は一人、資料室で午後の症例カンファレンスに使うカルテの整理を行っていた。
「よし、これで昼からの分は揃ったかな……」
背伸びをして窓の外の暴風雨を眺めた、その時だった。
カチャリ、と資料室のドアが開く。
「あ、すみません、ここは関係者以外——」
振り返った太智の言葉が凍りついた。
立っていたのは、全身濡れ鼠の男。
濡れた前髪の隙間から覗く異常な眼光、そしてその手に握られた、鈍く光る刃物。
「……今朝の、ニュースの…………!?」
男は警察の追跡から逃れるため、台風の暴風雨に紛れて病院内へ侵入し、身を隠す場所と薬を求めて徘徊していたのだ。
男の目が殺気を帯びて光る。
この奧のナースステーションには、今まさに昼休みの交替作業をしている柔太朗や舜太がいる。
狂気にとらわれた男が咆哮を上げ、太智へ襲いかかる。
太智は必死に男の腕を掴んで押し戻そうとしたが、暴風雨の中を逃げ回ってきた男の狂乱の力には勝てなかった。
直後——冷たい刃が、太智の身体を深々と貫いた。
「ぅ゙っ……あ゙あぁっ……!!」
息を呑む暇もなく、男は逆上して何度も、何度も刃物を振り下ろし、太智の腹部、胸元、腕を容赦なく深く切り裂き、突き刺していく。
ドス、ドス、と体に刃が沈み込む凄まじい衝撃と激痛。
視界が一瞬で真っ赤に染まり、全身の血が噴き出すような猛烈な痛みに膝から崩れ落ちそうになる。
しかし、太智は、自分が倒れれば犯人が奧へ行ってしまうと分かっていた。
ボロボロになり、全身を何度も刺されながらも、太智は血まみれの手で男の服の裾を死に物狂いで掴み続けた。
「柔太朗……! 舜太……っ! 逃げ……っ!!」
命の灯火が消えかける直前、太智の絞り出した全霊の叫びが廊下に響き渡った。
「……え? いま、太ちゃんの声……?」
廊下を歩いていた舜太が青ざめて足を止める。直後、資料室から響く凄まじい争う音と悲鳴。
「太ちゃん……!?」
駆けつけた柔太朗と舜太、そして異変を察知して飛び出してきた勇斗と仁人が目にしたのは、息を飲んで言葉を失うほどの、惨惨たる光景だった。
床一面に広がる大量の血の海。
その中央で、ズタズタに切り裂かれたスクラブを赤く染め上げ、何度も深く刺された全身から血を流して倒れている太智。そして、刃物を振り上げている犯人の姿。
「太智……っ!? うああああっ!!」
勇斗が血の気の引いた顔で叫び、咆哮とともに犯人へ飛びかかった。
駆けつけたセキュリティと勇斗によって、犯人は床に叩きつけられ即座に取り押さえられた。
「太智! 太智!!」
勇斗が床に膝をつき、全身血まみれの太智の体を抱き起こす。
手の施しようがないほど複数箇所を激しく刺され、太智の体は急速に冷たくなっていた。
「うそだ……、太ちゃん……?」
柔太朗が泣きながら、両手で少しでも血を止めようと太智の傷口を必死に押さえるが、指の隙間から大量の血が溢れ出て止まらない。
「バイタル測定不能……! 血圧下がし続けてます!! 心停止する……っ!!」
舜太は過呼吸になりそうなほど肩を揺らし、ボロボロと涙を流しながら叫ぶ。
朝、あんなに元気に「怖いねぇ」と笑い合っていた大好きな仲間が、いま自分の腕の中で全身を刺されて命を落とそうとしている。
太智は、もうほとんど光を失った瞳をうっすらと開け、血の混じった息を苦しそうに吐き出しながら、どこか歪んだ笑みを浮かべようとした。
「……よ、か、った……み、な………ぶ、……や……」
全身を滅多刺しにされ、絶望的な激痛の中にいるというのに、自分ではなく仲間の無事を喜ぶ太智。
「喋るな!! 喋んじゃねぇバカ野郎!!」
勇斗の目からボロボロと涙が溢れ落ち、太智の冷たい頬を濡らした。
「仁人、オペ室だ!! 心停止する前に胸開くぞ!! 嵐だろうがなんだろうが、俺たちの手で絶対死なせねぇ!!」
「言われなくても!! 柔太朗、緊急急速輸血フルスピード! 舜太、人工呼吸器とオペ準備!! 1秒でも遅れたら太智が死ぬぞ、走れ!!」
仁人が涙を拭い、声を限りに叫ぶ。
嵐で外部との連絡が途絶えたお昼の病院で、滅多刺しにされた命を繋ぎ止めるための、血みどろの命懸けのオペが始まった。
夕方。猛烈な嵐が去り、雲の隙間から優しい夕空の光が差し込み始めていた。
ICUのベッドの上。
全身に包帯を巻かれ、人工呼吸器と何本もの点滴チューブに繋がれた太智が、規則的な心音の電子音とともに静かに息を吐いていた。
無数の刺傷による出血性ショック、命の限界。
さのじんの執念の緊急オペと、年下組の必死のサポートにより、奇跡的に命の口から太智を引っ張り戻すことに成功したのだ。
太智がゆっくりと目を開けると、ベッドを囲む4人の顔があった。全員、目を腫らし、疲弊しきった顔で太智を見つめている。
「……あ……み、んな……」
「……バカ。……本当に、バカ……」
勇斗が声にならず、太智の手を崩れ落ちるように固く握りしめた。その手は震えていた。
「なに、……やってんの⋯⋯、」
「本当によかった……太ちゃんがいなくなったら俺ら……」と
仁人も奧の目を赤くし、声を詰まらせる。
柔太朗と舜太も太智の手を抱えて泣きじゃくった。
太智は包帯で痛む体に小さく顔を顰めつつも、いつものようにどこか誇らしげで、太陽のような優しい笑みを浮かべた。
「……へへ、みんなが無事なら……なんぼでも刺されたるわ……」
「二度とそんなこと言うなよっ!!」
勇斗の怒り混じりの安堵の叫びと、泣き笑う仲間の温かい声が、朝焼けならぬ夕光の病室にどこまでも優しく響き渡るのだった。
コメント
4件
コメントありがとうございます!✨リクエスト了解しました!気に入っていただけたようで一安心です!
リクエスト書いてくださってありがとうございます😊 思い描いていたお話しの想像以上でとっても素敵な作品ですありがとうございます✨️ やはり素敵な悲鳴ですねありがとうございます💕︎✨️ やっぱだいちゃんは守り守られる素敵な関係が好きなんですよ分かりませんか?! そして仲間思いな皆様が心荒ぶる御姿とっても素敵で可愛いくて感動しますよね? そうですよね??ね? そしてまた、リクエスト書いてよろしいでしょうか? 前に書いてくださったお話しがとっても好きなのですよ、前に書いてくださったお話しと言うのはですよ。 災害のお話しです✨️ 前に書いて頂いたのは地震のお話しを書いてくださったではありませんか? やっぱり他の災害のお話しも読みたいてですね、落石、土砂崩れのお話しがとっても読みたいです✨️ 長々とすみません💦 次の投稿も楽しみにしています😊 体調にはお気おつけてくださいね!
うわあああん…太智くんがこんなことになるなんて泣いた😭💦💦 全身ズタズタにされながら「逃げて」って叫ぶところ、マジでかっこよすぎて心臓ギュッてなった…!仲間想いの強さが痛いほど伝わってきて涙腺崩壊したよ😢✨ 最後、みんなで涙ながらに太智くんを助けたシーンは本当に尊くて、5人組の絆が尊すぎて最高だった🌟 暴力描写は怖かったけど、死なせなかったFreesiaさんの優しさを感じたよ…!次の展開も楽しみにしてるね🩺💙