テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それから数日後。
撮影終わり、疲れきった康二は、なんとなくあのカフェを再び訪れる。
──まさか、いるわけないよな。
そう思った矢先、また、いた。
深澤辰哉。前と同じ席、同じ表情。いや、今日の方が少し、笑ってた。
💜「運命感じちゃった? それとも、俺に会いたかった?」
🧡「…そんなつもりじゃないで」
💜「ふーん。じゃあ、俺が会いたかったってことで良い?」
その軽妙な口調に、康二は少し笑ってしまう。
誰にも見せない、素の笑顔。
💜「疲れてる顔してるね。アイドルって、そんなに大変?」
🧡「そら、まあ…大変っすよ。寝る暇もないし、常に見られてるし…」
💜「──じゃあ、今くらいは俺に甘えていいよ?」
🧡「は?」
💜「ほら、こっちおいで。背中、もんであげる」
突然のスキンシップ。
戸惑う康二に、深澤は柔らかく、けれど有無を言わせない口調で囁く。
💜「君、普段から“触れる側”だろ? たまには、触られてみるのも悪くないよ」
──その手は、優しいのに、どこか支配的だった。
康二は、その夜、少しだけ長く店にいた。
深澤の前では、気が抜ける。
…それが、危ないと気づく前に。