えんぴつが立たない。
頭が丸いからかこのえんぴつを立たせることができない。
芯が通っているのに立つ気配がない。黒くて硬い支柱があるにも関わらずまっすぐに立っていられない。
立たないえんぴつなんていらない。
かみもないし、役にも立たない。
つるつるした頭は使い古されたようにてかてか光っている。
いっそ、折ってしまおうか。
西日が差し込む。
東に窓はない。
開いた日記には昨日までの日付と黒い止めはね払い。
汗が出る。
日暮れの音がして、夕方が遅くなったことに気が付くと左手が黒く染まっていた。
気が立つ。
腹は煮えくり返るほど立っている。
息が立ってえんぴつを握るように持って紙に走らせる。
「今日もパパはうざいし臭い。」
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