2.少しづつ
まだ高校生だと言うのに1年の進みのスピードは凄まじく早く、
いやぁ、もうこの日になるとは。
『ねぇ!りん!?聞いてる??』
『あ、ごめんこころ。何言ってた?』
『まじで大丈夫??今日で1年終わるんだよ???』
そうなんだよ。うちらもう高二?やばすぎない?
『いやまじ一瞬すぎて高一もっとエンジョイしたかった〜!』
『いやりん毎日遊んでたけどね?』
こころだけは。そう。こころだけは同じクラスになると思ってた。
キーンコーンカーンコーン
『また新しい季節が始まり、皆さんは進級致しました。』ここから長い校長の話お話。。
聞いてられるか。
でももう先輩になるのかぁ。
緊張だなぁ。
『クラス表配るぞー』笠井先生は、まだ得意にはなれない。
1組…名前なし
2組…名前あり!私2組だ!
え。こころは?
そういえば今日一度もこころに会っていない。
名前もない。え。
どういうこと。
走って先生のところに向かう。とにかく近くにいる先生に。
『笠井先生、!!!!』
『東雲さん?走るなよ?』
そんなのどうでも良くて、
『こころは!???どこ行ったの?』
『あ、平井さんは転校したよ。』
『はぁ?え?聞いてないし!!』
『ねぇ、嘘つかないでよ。お願いだから。こころいないと私生きてけないよ。』
うん気づいてたよ。
みんな、私と仲良くしたいんじゃなくて、こころと仲いい私と仲良くしたかったんだよね。
本当の友達なんてこころしかいなかったんだよ、
『東雲さん!大袈裟。何言ってんの。他に友達いるでしょ?』
『最っ低。何も知らないくせに!』私はとにかく逃げた。
はぁ。先生にまた成績下げらちゃうな。
こころは、みんなと仲良かった。男子からも女子からもモテる存在で私が隣に並んで良いのかって思うくらい友達も多くて、それでもいつもそばにいてくれて、だから。
だから、私にも友達がいた。
次の日クラスに入ると予想は的中。
今まで話してた子が途端に話しかけてくれなくなった。
いつも私の席にたまってた子達も私を空気のように扱う
なんで。なんでこころは消えたの?
私に何も言わないで。メールも電話もこころには届かなかった。
どこ行ったの。ねぇ?
それでも最初の頃はクラスの子に話しかけてた。
一学期は何とかやって行けた。
あの日から笠井先生から逃げて、一言も話していない。
二学期が始まってすぐ風邪にかかった。
なんだか学校に行かない時が楽だった。
変に気を使って人と話さなくていいし。
自分から人に話しかけることもしなくていい。
治って、仕方なく学校に行った。
病院後だから少し遅刻気味で、静かな教室に1人で入る
“ガラッ
一気に色んな人が私を見る。
ドアの音ってなんでこんなにうるさいのだろうか。
でも授業をしてるからみんなは静か。
なのに。聞こえちゃったんだ。
聞きたくなかった言葉が。
『あいつ来たよ。』
『なんで休んでるやつが急に来るんだよ、』
『サボりだよな。絶対。』
『いっそもうずっと来なければ良かったのに。』
小声で話してる声が聞こえる。
先生が笠井先生だから静かな人が多い。
だから聞きたくない言葉がより大きく聞こえる。
“プツッ
何かが切れた音がした。
私の目から光は消え、何も口も開かずに席に座った。
もうなにもかもどうでも良くなった。
3.私なんて、
なにもかとどうなってもよくなってから数日後
朝起きあがると
“ピリッ
稲妻のように頭痛が走った。
そうだ。悪夢を見たんだよ。
『お母さん。』
『どうしたの??』
『頭痛い。お休みしてもいい?』
『大丈夫?いいよ。連絡自分で出来る?』
『うん。ありがとう。』
電話か、
学校の電話番号を探し、スマホで電話をかける。
『こちら、桜のみち高校です。』
低い声が聞こえた。大嫌いな、笠井先生だ。
『2-2の東雲りんです。頭痛のためお休みします。』
『東雲さん?お母さんは知ってる?』
『はい。』
『わかった。お大事にね。』
“ガチャ
せんせい、?
今の私にはただの、定型文のお大事にでも。優しく聞こえた。
布団にこもった。
先生の声が頭から離れない。
あんなに嫌いなのに。
次の日学校がもう嫌になっていた。
『まま?』
『ん?頭まだ痛い?』
『ううん。違うの。話聞いて欲しくて。』
もう言うしかないと思った。1人で抱えられなかった
全て話した。こころが居なくなってからの事全部。
ママは私が行きたい時に学校行けばいい。って言ってくれた。
そこから私はたまに遅れて行く程度にしか学校へ行かなくなった。
学校に足を運んで職員室による。
『2-2.東雲です。遅刻届けもらいに来ました。』
『おはよ。調子どう?』
げっ。笠井先生か。
『んー、びみょー』
『何かあったら俺じゃなくても誰かに頼るんだぞ』
なんで。なんで先生そんなに優しくするの。
先生から離れたあと涙が止まらなかった。
クラスに入れないよ。これじゃ。
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