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『気をつけてお帰りください。くれぐれも寄り道などしませんように。真っ直ぐ帰って下さいね。』
ミラからの返事はすぐに来る。
『今日は本屋さんに少しだけ寄るから、真っ直ぐは無理だよ。でもすぐに帰るから。』
(全く本がお好きな方だ。)
『急いで帰って下さいよ。万が一俺より帰りが遅かったら、大変なことになりますからね。』
『分かってるよ。それよりケイゴ、オススメな消しゴムってある?』
『07消しゴムがオススメですよ。程よく柔らかでよく消えます。それにケースもシックでオシャレです。でもお嬢が使うなら少しクール過ぎるかもしれません。』
『大丈夫。ありがとう!』
***
翌日の朝
ホームルームのために早めに教室に来ると、ミラと滝川の会話が聞こえる。
何やらミラが滝川に小さなプレゼントを渡している。中から出てきたのはケイゴ推しの消しゴム。
(!!昨日の本屋は滝川のため⁉︎)
「え!別に良かったのに。でも折角なのでありがとう。」
「おーい、滝川ぁー。いいなー早速外部生とお近づきになれて。二日目にしてプレゼントまでもらってー。」
滝川と話をしていた男子軍が、滝川とミラを囃し立てる。
「そんなんじゃねーよ。」
滝川はニコニコしながら周りの揶揄いをかわす。
(男へのプレゼントを選ばされていたなんて…。何だ、あいつの嬉しそうな顔は!)
少しムッとなっていると不意にミラと目が合う。
ミラは消しゴムとケイゴに視線を送り、ニッコリしながら「ありがとう」と口を動かした。