テラーノベル
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2話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
叔母からの支配は日を追うごとに激しさを増していきました。
そのたびにレトルトの心は少しずつすり減り、
言葉を発することもなく、ただ時間が過ぎるのを待つ日々へと変わっていきます。
民の前でのレトルトは、 幼いながらも立派に国をまとめる王として振る舞っていました。
けれど、その裏側では――
叔母により、まるで奴隷のように扱われる生活が続いていたのです。
そして、気づけば 腕に浮かんでいた模様は、
ゆっくりとその範囲を広げレトルトの細く白い腕を覆い尽くし始めていました。
模様の範囲が広がるほどに、 レトルトは少しずつ気力を失っていきました。
感情は薄れ、 考えることさえ面倒になっていく。
ただ何も感じないまま時間だけが過ぎていく日々。
気づけばレトルトは、 自分の意思というものを少しずつ手放していました。
生きているのか、死んでいるのか一一。
その境界さえ曖昧なまま、
レトルトという存在は、模様の進行とともに少しずつ薄れていきました。
そんな日々が数年続きました。
模様はいつの間にか両腕を覆い尽くし、 さらに上半身へと広がっていました。
体だけは成長し、背丈も大きくなっていきますが、レトルトの 中身はあの日から何も変わらないまま。
感情も意思も薄れたままのレトルトは、
ただ叔母の言葉に従うだけの、
操り人形のような存在になっていました。
そしてまた、レトルトの運命を変える出来事が 起こりました。
それは静かなある夜のこと。
レトルトは叔母の部屋へ呼び出され、
いつものように容赦のない言葉を浴びせられていました。
「本当にお前は役立たずだ」
「早く死ね」
「お前が死ねば国は豊かになる」
冷たい罵声は何度も何度もレトルトへ繰り返されます。
やがて部屋を追い出されるようにして廊下へ出た レトルトはふらつきながら薄暗い廊下を歩いていました。
そのとき――
足元に小さな手帳が落ちているのに気づきます。
レトルトはそれを拾い上げ 何気なくその手帳を開き中を読み進めると、 それは叔母の日記でした。
そこには、自分のことやレトルトのこと、
国のこと、家来たちのことまで、
細かく記されていました。
ページをめくっていくと――
ある一枚だけが、不自然にくっついていることに気づきます。
まるで何かで貼り付けられたように、 そのページは強く固着していました。
どす黒い液体のような跡が染みつき、
それを見た瞬間、レトルトの背筋にぞくりとしたものが走ります。
恐る恐る、そのページを剥がすと そこにはあの夜のことが記されていました。
レトルトの地獄のような日々が始まった、あの夜のこと。
思い出したくもない、あの夜のこと。
途端に、激しい頭痛と眩暈がレトルトを襲います。
視界が揺れ、息が詰まりそうになりフラフラとよろける体を必死に支え、 読まなければならないという思いだけがかろうじてレトルトを立たせていました。
そして、レトルトはそのページを読み進めました。
そこに記されていたのは、 レトルトの両親を殺すための計画でした。
妹への深い恨み。
国王への歪んだ執着。
そして、あのどす黒い痕は――血の跡でした。
レトルトは息を呑み、 全身が震え出します。
その場に力が入らなくなり、 静かに崩れ落ちました。
両親を殺したのは、叔母だったのです。
《叔母の日記》
妹が憎い。
どうしてあの女だけが、あんなにも幸せそうに笑えるのだろう。
なぜ私だけがこんなに不幸なんだろう。
あの笑顔を見るたびに胸の奥が焼けるようだ。
あの女さえいなければ、 国王はきっと私を選んでいたはずなのに。
そうすれば私は、王妃になっていたはずなのに。
憎い。
憎い。
憎い。
そうか、 いなくなればいいのだ。
あの二人が消えれば、この国は私のものになる。
一一一
二人を殺した。
寝込みを襲った。
あんなにも仲良さそうに抱き合って眠っている姿さえ、 どうしようもなく憎らしかった。
部屋に入った瞬間、足音に気づかれてしまったのは誤算だった。
けれど、それでも結果は変わらない。
王妃を守ろうと飛び込んできた、あの哀れな国王。
その心臓を、一突きにした。
苦しそうにもがいていた。
ああ、本当に、いい気味だった。
妹も同じように殺してやった。
心臓を貫く感触は、今でもはっきりと覚えている。
二人とも血を流しながら、必死に命をつなごうとしていた。
その姿が、どうしようもなく滑稽だった。
本当に、いい気味だ。
――これで、この国は私のもの。
けれど。
まだ、あの子が邪魔ね。
レトルト。
使えるところまで使ったら、殺してしまおう。
レトルトは震えながら、日記を読み終えました。
失われていたはずの感情が、堰を切ったように溢れ出し、 あの夜の記憶が鮮明に蘇っていきます。
床に広がっていた、生暖かい血の海。
動かなくなった両親の体。
それを無情に照らしていた、月明かり。
途端に、激しい頭痛と眩暈がレトルトを襲いました。
腕の模様は、まるで生きているかのように、
ぴりぴりと音を立てながら体を侵食していきます。
やがてレトルトは、嗚咽を漏らしながら泣き崩れ、 その場に力なく座り込んでしまいました。
その声を聞きつけ、叔母が部屋から飛び出してきました。
「お、お前……!? まさか、その日記を読んだのか!?」
血相を変え、叔母はレトルトへと迫ります。
――逃げなきゃ、殺される。
レトルトは必死に立ち上がり、
手にしていた日記を叔母へと投げつけました。
一瞬、叔母が怯んだ そのわずかな隙に、レトルトは震える足を引きずりながら走り出しました。
背後では、叔母の怒号が響きます。
「レトルトを追え!!」
それでもレトルトは振り返りませんでした。
土砂降りの雨はまるでレトルトの心を映しているかのように、 容赦なく降り注いでいました。
続く
コメント
5件

うぉぉぉぉい叔母てめぇ一発殴らせろ!!! レトさんが苦しそうじゃねぇかぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ(((( 失礼いたしました。 今回も神作品ありがとうございます! レトルトが不安すぎる…😭頑張って逃げろー!!! 次回も楽しみにしてます!

もぉぉぉぉぉ!!! めちゃくちゃ好きっ(⸝⸝> н<⸝⸝) もうほんとっに!私が想像してたまんまのお話ですっ! 雨の中走る所や、日記のところ全部が想像してた通りすぎて! びっくりです𐤔𐤔𐤔 こんなにも早く2話目を書いてくださるなんて幸せ者ですぅ、(> <。) これからも楽しみにしてますっ!!
#usky