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蒼乃(キャラボ中〜!)
#恋愛
407
冷たい雨が降っていた。暗くて広い牢屋に、辰巳の赤い血痕が滲んでいく。モンスターラビットの巨大な尻尾で振り払われた彼の体は、牢屋の壁に叩きつけられて無残に転がっていた。
「っ……がはぁっ!」
腹を押さえても、指の隙間から命の赤が零れ落ちる。意識が遠のく中、辰巳の目にはあの憎きサイコロの姿が浮かんでいた。
**50万円の賭け金**
**当たり武器:鋼鉄製のバット**
あの時点で最悪だったのは、バットを選んだことではない。「当たり」だったはずの武器すら、あの化け物の前ではゴミ同然だ。
「おいおい、まだ生きているのか? めんどくさいな」
檻の外のガラスの向こうから、マイク越しに下品な笑い声が響いた。カメラマンと主催者の男たちだ。彼らの足元には巨大な水晶玉が光っている。映像記録用の魔具だろう。
「50万賭けたから、100万円支払うことになるぜ。もちろん『負け』だから2倍の100万円は君の全財産を差し押さえても足りないけどね」
冷酷な現実が辰巳の胸に突き刺さった。パチンコで失った1,000万円どころか、さらに100万円の借金が増えた計算になる。こんな金額返せるわけがない。
「この通りお願いします。なんでもしますから、勝ちたいんです」
土下座をして必死の懇願にも関わらず、彼らは冷笑を浮かべるだけだった。その隙にモンスターラビットに攻撃されて、血がたくさん流れてしまい貧血状態になる。
「なんでも?」
主催者の男が楽しそうに尋ねた。
「じゃあ今ここで服を脱いでみろよ。裸踊りを配信すれば視聴者数も稼げるかもしれん」
辰巳は歯を食いしばった。プライドなんてものはない。だが、屈辱に塗れて生き延びるより、せめて一矢報いたかった。
「次のマッチングはいつなんだ?」
予想外の質問に、男は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに邪悪な笑みへと変わった。
「ほう……まだ戦うつもりか。いいぞ、その根性は評価しよう。二つのサイコロだ」
男がサイコロ二つを渡し、両方振る。そこに表示された数字は――
**400万円の賭け金**
**ハズレ武器:折れたナイフ**
「こいつは使い物にならない剣だ。刃先がほとんどない。それでも構わないか?」
辰巳は黙って頷いた。もはや選択肢などなかった。どんな武器だろうが、生き延びるためには全力で使うしかない。血が流れてても包帯を巻いて、傷口を塞ぐ。
「ではこれで二度目の挑戦となる。相手は……」
男が何かを呟くと、地面から黒い霧が湧き上がり、そこに恐ろしい姿の怪物が出現した。獅子のような頭部、鎧のように硬そうな鱗を持ち、背中からは長い翼が生えている。明らかに前のモンスターよりも数段格上の存在だ。
「ブラックライオンズだ。今日一番の大物だぞ」
観衆のいない闇の中で、ただ一つのカメラレンズが辰巳を捉えていた。これが彼の最後の試練になるかもしれない。折れたナイフを握り締め、辰巳は黒いライオンと向き合った。
コメント
1件
うわ、ノアさんの新作…めっちゃ重くてダークな世界観だね。辰巳くんの絶望感と、それでも「次のマッチングは?」って尋ねる執念、心臓がギュッてなったよ。折れたナイフ一本でブラックライオンズに立ち向かう最後の構図、すごく映像が浮かんだ。このまま死なないでほしいな…次が気になるよ。