この世界には、元々3つの国で保たれていた。
一つはドワーフ族が治める国「アング・ゲル王国」。
一つはエルフ族が治める国「エルヴィナ王国」。
最後はアラト族が治める国「ヴェルベント王国」。
この3つの国は、同盟を結び世界の危機にも共に戦った。
しかし、1人の男の魔法で、世界は炎に包まれる。
世界暦360年。
ヴェルベント王国の首都ヴィルパールにて。
国王ダレンと、皇太子であるガヴィンが護衛と共に、
国民に向けて演説をしていた。
その時、このように声が響いた。
「国王よ!今ここに専制政治を終わらすときだ!」
次の瞬間。
炎が演説の場に降り注いだ。
ドンッ!ドンッ!
広場で大きく、されど沈むような音が響いた。
ダレン、ガヴィンは逃げる間も無く死にいたり、
護衛も炎に溶けた。
これが、世界の危機となる。
それまで不満を抱えた市民が、軍人が、そして魔物たちが
この時代にないニトログリセリンを爆発させるように、暴れ始める。
市民らは「バルガ共和国」を築き、軍人らは「ゼネトス王国」を築き、
両者国家を二分し、統一するまで戦い続けることとなる。
そして、魔物たちは世界に溢れ出す。
それまであった国家は、魔物の対抗策など知らず死んでいった。
そして、強いものが国家を建て、その数は常に増えることとなる。
このお話は、そんな世界を救いたいと願う。
一人の少年が歩んでいく、普通な世界である。