テラーノベル
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時々、お兄ちゃんが何人かの友達を家に連れてくる時が好きだった
ドアの隙間から見えるでかい後ろ姿
「ぞむ〜?一緒にあそぶ?」
リビングで流行りのゲームをしている時、俺もみんなの輪に入って遊びたかった
お兄ちゃんがリビングから俺のことを呼んでくれる
いつもそうしてくれた。俺を気遣ってくれるお兄ちゃんは優しくて大好きだった
でも年上のお兄さん達がいる前ではリビングに行こうとは思えなかった
「ぞむが人見知りなの何よりおまえが知ってるやろ」
「だって〜…。そんな言うんやったらトントンが呼びに行ったって」
tn「はぁ?…まあええけど」
足音が聞こえて、ドアを閉める
お兄ちゃんの友達のようだ
コンコンと2つノックされると、すこし低い声が聞こえる
「おれ、トントンって言うんやけどドア少し開けてもええかな?」
z「……うん」
tn「あ、開けてくれた〜ありがとう」
黒縁の眼鏡をかけたお兄さん
髪はセンター分けでがっちり固めてある
tn「あ、その腕時計、マイクラのクリーパーのやろ?」
ドアノブを握る俺の腕を見たとんとんお兄ちゃんが緑色の腕時計を見つめる
z「…うん、これね、あのね、お兄ちゃんがゲームセンターでね、取ってくれたんだよ」
お気に入りのゲームの腕時計、気づいて貰えたのがうれしくて自慢げに話した
tn「へぇーお兄ちゃんかっこいいな、この腕時計ゾムのお気に入りなん?」
z「うん…!お兄さんも欲しいの?」
tn「おれもかっこいい時計欲しいけど、宝物なんやろ?大事にしとき」
z「…うん、」
tn「それより、ずっとそこおって寂しいやろ?お兄ちゃん達とあっちでゲームしよや」
z「…でも、」
tn「おれが隣おるから、な?ほら」
この時からなにか変な感情をおぼえてた
大きい手で俺の手を包まれる
そのままリビングに連れてかれると、自分の部屋で聞いていたお兄さん達の声がすぐ隣にあった
「これお前の弟?可愛いー」
tn「あんまびびらせんなよ〜まだ小さいんやから」
z「…とんとん兄ちゃん?」
リビングに来てもぎこちないおれを見てとんとんお兄ちゃんはまだ手を繋いでくれてた
tn「どうした?こわい?」
z「ううん。あのね、またとんとんお兄ちゃんと遊びたい」
tn「ほんまー?おれも遊びたい」
「うわ、ゾムとんとんに懐いてんじゃん珍しいな〜」
tn「また俺と遊びたいって」
「ぞむー!お兄ちゃんとトントンとまた遊びに行くか!」
「ずるいぞー!俺らも入れろ!」
色んな方向から飛んでくる大きい声に少しだけ怖くなってトントン兄ちゃんの手を握った
tn「ぁ、ぞむ怖がってるって、あんま驚かすなよ」
ずっと手を繋いでたいと思った
暖かくて大きい手で抱きしめられたいと思った
z「…とんとん兄ちゃん」
その気持ちだけが俺より前に出て反射的にトントン兄ちゃんにぎゅっとハグをした
tn「ぅわ、どうしたん?やけに素直やな」
そう言いながらおれにもハグをし返してくれた
「とんとんずるいぞーお兄ちゃんにも!」
自分より大きい体で包まれるのはあまりにも心地良くて落ち着いた
お兄ちゃんとその友達の声なんて聞こえなかった
次第にうとうとしてくる俺をみてトントンお兄ちゃんは背中を優しく叩いてくれた
「ゾムが初めてあった人にこんなに懐いてるの初めて見た」
tn「お前と違って人見知りやもんな」
「そういうとこが可愛いんやろ 」
tn「俺もこんな弟欲しかったわ」
「あげねーよ!」
目が覚めると夕方の賑わいはもう無くなっていた
z「トントンお兄ちゃん……」
霞む視界の中でトントン兄ちゃんを探すが俺の頭の上からすぐ声がした
tn「あ、起きた?」
z「ぅん…」
「ごめんねぇトントンくんぞむが迷惑かけて、もう遅いし夜ご飯食べてったら?」
仕事から帰ってきてたお母さんがトントンお兄ちゃんにそう言う
z「トントンお兄ちゃんと食べたい」
そう甘えるとおれの顔を見てニコッと笑った
tn「じゃあ、お言葉に甘えていただきます」
z「ほんま?やったー!俺トントン兄ちゃんの隣座る」
「よかった、ぞむもそろそろ離れなさいお兄さん足痛いって」
z「…ごめんなさい」
仕方なくトントンお兄ちゃんのひざから退く
でもなんだか安心しないからトントンお兄ちゃんの手を握った
tn「そんなに寝心地良かった?」
z「…うん」
「トントンの膝は最高品質やからな」
tn「何言ってんねん」
おれもトントンお兄ちゃんと同い年だったら良かったのに
この日から強くそう思うようになった
おれも6年生に今すぐなったら、中学生になったらトントンお兄ちゃんとその友達と遊びに行ったり家でゲームしたりできるのに
でも、その日からトントンお兄ちゃんはよく家に遊びに来るようになった
お兄ちゃんとゲームしに来たはずなのに途中からおれと遊んでくれたりしてくれるのが好きだった
新しい年を迎えた翌月からはお兄ちゃんの部屋で遊ぶようになった
「ゾム、リビングとか部屋でゲームして遊んどいてええからお兄ちゃんの部屋は立ち入り禁止な」
z「…うん」
tn「ごめんなゾムまた今度遊んでやるから」
今まで夢中でやってたゲーム機もテレビもお兄ちゃんの部屋にはないはずだから何をしてるのか検討がつかなかった
ただ気になって仕方なくて、トントン兄ちゃんがおれと遊んでくれないのが寂しかった
嫉妬と寂しさで狂ったおれは毎日のように兄の部屋に入り浸るふたりを壁に耳を当てて会話を盗み聞きしてやろうと思った
でもあ、とか、ん、とかお兄ちゃんの声しか聞こえなくて会話にもなってない
ここでもっと興味深くなって静かに、静かにお兄ちゃんの部屋のドアを開けた
軋むベッドの音と裸で抱き合う2人を見た時は思考停止した
お兄ちゃんのあんな声聞いたこと無かった
聞きたくもなかった
裸でキスする二人を見た時に俺は気づいた
ふたりは愛し合っていたんだ小学生ながらにそんな知識を無理やり埋め込まれたおれはそれからお兄ちゃんと、トントンお兄ちゃんと距離を置くようになった
もちろんふたりのことは大好きだでも2人の顔を見る度にあの記憶がフラッシュバックしてくる
tn「お邪魔しまーす 」
「ゾム、いつも言ってる通り部屋には入らんといてな」
z「…うん」
リビングでお兄ちゃん達がやってたゲームを俺も初めて触ってみた
するといつも通りふたりが来て部屋で変な声を出す
その行為の意味も分からなかったおれは部屋から出てきたふたりにふと聞いてみた
z「お兄ちゃん達部屋でいつも何してるの?お兄ちゃんの声変だよ」
「……」
tn「声聞こえてたん?」
z「うん、お兄ちゃんの声じゃないみたい」
お兄ちゃんは顔を真っ赤にして、それから少しだけお兄ちゃんと疎遠になった
そんな出来事から3日も経つとお兄ちゃんは家に誰も呼ばなくなった
z「兄ちゃん、トントンお兄ちゃんは?」
「今日バイトだって!」
z「今日は?」
「今日はお熱!」
z「今日も来ないの?」
「今日もバイト!」
次来た時は遊んでくれるかななんて淡い期待を持ってお兄ちゃんが学校から帰ってくる度にトントンお兄ちゃんも一緒に帰ってくるのを待った
やっぱり何日経ってもお兄ちゃんはひとりで帰ってくるし、知らない大人の人を連れてくるからもうトントンお兄ちゃんが家に来ることを諦めていた
でもまだトントンお兄ちゃんのことが大好きで何年も未練タラタラのまま学校と家の往復を繰り返している
何年も前の思い出に入り浸りながらもう俺は高校生になった
すごく曖昧なところで切ります
初めてのtnzm長編‼️
今日勢いで書き始めたやつなので設定がボロボロかもしれない!許してほしい
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