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君の背骨に棲みたい

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君の背骨に棲みたい

21 - File21:椅子の足りない家族

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2022年01月25日

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※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。


〈File21:椅子の足りない家族〉

「やあ、アブミ骨」

「ハア?」

彼女の目が三角に吊り上がり、ハシビロコウのようなたたずまいで俺を見据えた。

おかしい。

本当なら彼女は『アブミ骨』に興味を抱き、そこから話が弾む予定だったのに。

「説明させてほしい。アブミ骨というのはだな……」

どうにか彼女の眼中に入りたかったのだが、静かに首を横に振られてしまう。

給湯室へ行ってしまう彼女を追いかけ、簡易コンロの前に立つ彼女の傍に張り付いた。

「アブミ骨というのは耳の骨の一部なんだが、人体で一番小さいんだ。宝石のついた指輪に似た可愛らしい形をしていて――」

「いい、特殊性癖の説明しなくて」

「と、特殊性癖……?」

煩わしそうに手で払われ、取り付く島もない。

彼女は人と距離************************

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