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3 - 第1話 亀

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2024年12月20日

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本編開始

春の柔らかな日差しが差し込む公園。芝生の上には、いさながいつものようにジャケットのポケットに手を突っ込んでふらふらと歩いていた。寝癖がついた髪を手で無造作に直す彼の目に、ふと何かが飛び込んできた。茶色いロングヘアの女の子が、小さな池のそばで何かを真剣に見つめている。

「なに見てんの?」

いさなが軽いノリで声をかけると、その女の子――萌香が振り返った。耳元の丸いピアスがきらりと光る。

「亀。」

短く答える彼女の指さす方向には、小さな亀が一匹、甲羅を光らせている。

「へぇ〜、俺興味ないけど、君がそんなに真剣に見てると気になるな〜。」

いさながヘラヘラ笑いながらしゃがみ込むと、萌香は微笑んだ。

「この亀、ずっとここにいるんだよ。最近友達みたいな気がしてきた。」

「友達?亀が?」

いさなが眉をひそめる。

「だって、いつもここにいるんだもん。名前もつけたよ。『カメオ』。」

萌香はそう言って小さく笑った。その笑顔は春の風みたいに柔らかで、いさなの胸に妙な感覚を残した。

「カメオね〜。そいつより俺の方が面白いかもな。」

「そんなことないよ。」

萌香のあっさりとした言葉に、いさなは思わず吹き出した。

「お前、初対面のくせに普通に毒舌じゃん。」

「いさなのほうが毒舌だと思うけど。」

萌香は軽く肩をすくめて言う。

その瞬間、いさなの中で何かが変わった気がした。

いつも軽いノリで生きている彼にとって、誰かにズバッと突っ込まれることは珍しい。それも、こんな普通の女の子に。

「なぁ、萌香ちゃん。カメオの次に俺とも友達になってくれない?」

いさながいたずらっぽく笑うと、萌香は少し驚いたように目を丸くした。

「友達?別にいいけど。」

そう言って、またカメオに視線を戻した。

風がふわりと二人の間を吹き抜ける。池の水面が揺れ、カメオはのんびりと動き出した。その亀を見つめながら、二人の距離がゆっくりと縮まり始めたことに、まだ気づいていなかった。

こうして、いさなと萌香の物語は、小さな池と亀から始まった。

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🐢<くわっくわっ(?)

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