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〜♪〜♪♫〜♫〜


ギィ「なんの歌なんだ?」

夢 「ギィ。」


最近夢はよく歌を歌う。歌うと言っても鼻歌でメロディーをなぞるだけだが。

なんの歌かは知らないが、毎度同じ歌を歌っている。ただ、歌っているときの夢は少し寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。

夢の真なる魔王への進化ハーベストフェスティバルを終えてから約2年のときが経った。最初の頃こそ、悲観的になったり自暴自棄になったりなんてことが多々あったが今は回数も減り、少しづつ落ち着いてきている。それもおそらく、感情を抑える、落ち着かせる薬を飲んでいるからだろう。

リムルから下ろされた薬と、落ち着く作用のある花の香を焚いている夢の部屋は、甘いような、薬品のような、そんな匂いがする。

そんな中で、それこそ甘い独特なオーラを纏わせた夢はまた外を眺めている。

ギィ「夢、体調はどうだ?」

夢「大丈夫。」

夢の口数は大幅に減った。もともと多いというわけではなかったが、本当に必要最低限しか喋らなくなっている。


夢の身体はというと2年前の状態から悪化も、回復もせず現状維持を続けている。


それよりも問題なのは人間達だろう。

夢は完全に人類の敵と言えるほど、有名になっている。

夢が滅ぼした国は立地がよいのか2度と壊されてもまた生命の息吹を吹き替えしていた。

夢「ギィ、」

ギィ「なんだ?」

夢「やっぱり少ししんどい」

そう言って抱っこと言わんばかりに手を広げこちらを待っている。

キラキラと輝いていたはずの目はもう黒く深い場所へ沈んでしまったように輝きを失っていた。

ギィ「よっと…」

言われるまま抱っこをしてやると、そのまま右肩に頭を乗せ、ギィの腰に手を回しギュッと抱きしめてきた。

少しの間、抱っこしたまま歩いたり、揺らしたりしていると落ち着いたのか、それとも安心したのか右肩に頭を置いたまま寝ていた。

夢はあれから小さい状態のまま過ごしている。自分の体の大きさを変えられるようで、心の状態と体の見た目的な年齢は比例するようだった。

幼い状態の体だと心も幼くなったように甘えたになったり、情緒不安だったりする。

逆に人間で言う12歳ほどの大きさだと、甘えてくるのは同じだが、ある程度安定していたりする。

大人の大きさだと、元気ハツラツで外にこそ出ようとしないものの、城の中で走り回ったり手伝いをしたりと精力的になる。


今日の夢は幼い姿だ。

穏やかそうに眠っている夢をベッドに下ろし、布団をかける。

どうやら少し熱っぽいようで、顔が普段より赤い。

風邪を引いたり、体調を崩しやすいのは魔王化を果たした後も同様で、スキルや耐性が発動せず寒かったり痛かったりするのも前と変わらなかった。

すやすやと眠っている夢の頭を撫でながら、身体の状態、魔素の状態をチェックする。

ギィ「少し乱れてるが、心配するほどじゃねぇな。」

すやすやと穏やかそうに眠る夢は魔王化する前となんら変わらない。

ギィ「お前を見てたら俺も眠たくなってきたな…」

そのまま意識を手放した。

転生したらスライムだった件「天間の子は幸せになれるのか?」

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