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憧れと好きの違い

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憧れと好きの違い

5 - 不真面目な先輩4

♥

30

2025年03月10日

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『なぁ、蓮〜?』

「…はい?」


今の状況を簡単に説明すれば、昼休憩中、何故か加賀見先輩が俺の肩に頭を乗せている。

もう俺は諦めることにした。どうせ何を言ってもこの人には勝てないから。

それにしても…


*_酔っ払いみたいだな…。*

まぁ、そんなこと絶対言えないが。

先輩の友達の松田先輩と南瀬先輩は、今の状況に必死に笑いを堪えている。

勘弁してくれ、助けてください。


『新入生歓迎オリエンテーションあるの知ってる?』

「まぁ…軽く説明はありましたね。」


この高校では、新入生歓迎オリエンテーションとして、全学年の生徒が3グループに分かれ、

三箇所の宿泊施設で2泊3日でのお泊まりがあるらしい。近くの商店街なんかにも出向いて、

新入生と先輩方とが交流を深め、この学校に早く馴染ませることが目的だそう。


『部屋割りとか、一緒に行動するグループとかも基本自由なのは知ってる?』

「はい。」


まぁ…俺が誰かとグループなんて_


『俺らと一緒組もうぜ!』

「…え?」

「あ、それ私もさんせーい!でも、流石に部屋は無理〜!」

『美奈はそりゃ別の部屋だろ!(笑)』

「じゃあ、一緒に行動するグループ?」

『おう!まぁ部屋は俺、輝、蓮でいいと思うけど!』

「そうだな。」

「え、え…?」

『ん、蓮、やっぱ嫌?』

「…。」


この空気で断れるわけがないだろ…!

地獄である。逃げたい。今すぐに。


「だ…大丈夫です…。」

『よし!決定〜!』


オーマイガー…絶対やっていけない…。

タイプが違いすぎる…。


_キーンコーンカーンコーン

昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴った。やっと終わった…。

なんだかすごく長かったような気がする…。


『ちぇ、もう終わりか〜。じゃ、蓮!また話そうぜ!』

「はい、ありがとうございました。」


そうして、俺は足早に教室へ戻った。


「…相変わらず堅いね、蓮。」

「だな、もうちょっと力抜いていいのに… なぁ、渚。

なんであいつ誘ったんだ? どう考えたって俺らみたいなのは苦手なタイプだろ。」

『んー…分かんね。 なんていうか…無性に声掛けたくなったんだよ。

   あいつの背中見たら、 何かが足りないような感じがしてさ。ほっとけなかったんだ。』

「なんじゃそりゃ!まっ、渚らしいっちゃらしいね〜。 

  いつもその場の判断で動いちゃうところ。」

『悪いかよ…。』

「悪くはねぇんじゃねぇの、だが…お前のその行動が、相手の今後にどんな影響を与えるかは、

1度よく考えた方がいいだろうな。」

『…分かってる。』

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