コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『なぁ、蓮〜?』
「…はい?」
今の状況を簡単に説明すれば、昼休憩中、何故か加賀見先輩が俺の肩に頭を乗せている。
もう俺は諦めることにした。どうせ何を言ってもこの人には勝てないから。
それにしても…
*_酔っ払いみたいだな…。*
まぁ、そんなこと絶対言えないが。
先輩の友達の松田先輩と南瀬先輩は、今の状況に必死に笑いを堪えている。
勘弁してくれ、助けてください。
『新入生歓迎オリエンテーションあるの知ってる?』
「まぁ…軽く説明はありましたね。」
この高校では、新入生歓迎オリエンテーションとして、全学年の生徒が3グループに分かれ、
三箇所の宿泊施設で2泊3日でのお泊まりがあるらしい。近くの商店街なんかにも出向いて、
新入生と先輩方とが交流を深め、この学校に早く馴染ませることが目的だそう。
『部屋割りとか、一緒に行動するグループとかも基本自由なのは知ってる?』
「はい。」
まぁ…俺が誰かとグループなんて_
『俺らと一緒組もうぜ!』
「…え?」
「あ、それ私もさんせーい!でも、流石に部屋は無理〜!」
『美奈はそりゃ別の部屋だろ!(笑)』
「じゃあ、一緒に行動するグループ?」
『おう!まぁ部屋は俺、輝、蓮でいいと思うけど!』
「そうだな。」
「え、え…?」
『ん、蓮、やっぱ嫌?』
「…。」
この空気で断れるわけがないだろ…!
地獄である。逃げたい。今すぐに。
「だ…大丈夫です…。」
『よし!決定〜!』
オーマイガー…絶対やっていけない…。
タイプが違いすぎる…。
_キーンコーンカーンコーン
昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴った。やっと終わった…。
なんだかすごく長かったような気がする…。
『ちぇ、もう終わりか〜。じゃ、蓮!また話そうぜ!』
「はい、ありがとうございました。」
そうして、俺は足早に教室へ戻った。
「…相変わらず堅いね、蓮。」
「だな、もうちょっと力抜いていいのに… なぁ、渚。
なんであいつ誘ったんだ? どう考えたって俺らみたいなのは苦手なタイプだろ。」
『んー…分かんね。 なんていうか…無性に声掛けたくなったんだよ。
あいつの背中見たら、 何かが足りないような感じがしてさ。ほっとけなかったんだ。』
「なんじゃそりゃ!まっ、渚らしいっちゃらしいね〜。
いつもその場の判断で動いちゃうところ。」
『悪いかよ…。』
「悪くはねぇんじゃねぇの、だが…お前のその行動が、相手の今後にどんな影響を与えるかは、
1度よく考えた方がいいだろうな。」
『…分かってる。』