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時は現代日本、その世界は大きく違っていた。
その世界ではバブル崩壊後建て直されることがなく、貧困問題を始めとする様々な問題に悩まされ続けている。そんな終わりかけた国に、神は一筋の救いの手を与えると言った。しかし、受け取れるのはただ1人のみ。手段は問わぬ。
最後の一言を気に人間の多くの思考は【殺さねば】に支配された。
その日を最後に日本は変わった。
武力を持つものは持たぬものを蹂躙するようになった。
己の家族などどうでもよくなったかのように、それぞれがそれぞれの方法で殺戮の限りを尽くした。
それは、そんな世界に命を受けた、少女の話。
少女の名は瑠菜(るな)という。
周りと同じ、家庭環境に産まれ明日のご飯にも悩んでいるため、常に腹を空かせていた。
母親「ごめんねぇ、今日はこれだけ採れたよ」
そういい母親は、道端の草を床に並べ始める。
瑠菜「わぁ、今日はご馳走だね」
母親「ごめんねぇ、お母さんがもっとしっかりしていれば…」
母親は泣き出す
瑠菜「ママ?どうして泣いてるの?ママも一緒にご馳走食べよ?」
瑠菜がそう言っても、母親は泣き止むどころか、さらに泣き始める。
母親「お母さんは大丈夫だから、瑠菜が全部おたべ」
そういい、食べるのを促す。
次の日、空は曇り空しかし何故か晴れている時と同じ明るさだった。
不思議に思うと、空から声が響き渡った。
それは、思考に【人を殺せ】と思考させるように感じた。
しかし、本能に逆らう事は出来なかった。
急いで家に帰り、凶器になりそうなものを探し回る。
瑠菜「見つけた。」
そういう少女の手には錆びた刃物が1本握られていた。
そして、少女は生き残るために、雑草を毟り、川の近くの隠れることの出来る場所へと身を潜めるようになった。
あれから何日経ったのだろう。
男の声が聞こえた。
そして、無防備に背中を向けていたので、手に握りしめた包丁を男の背中に、突き刺す。
何度も刺す。
何度刺したのだろう相手が動かなくなった。
そして、空からの声は
【生き残った物たちよ、汝らは我を見つけ出せ。】
その一言だった。
曇り空の中1本の光が降りて来た。
その場所はあまりにも近く、そして身に覚えがある場所だった。
光の筋は、瑠菜の家へと、降りていた。
【我を見つけ出した者よ、よくやった。それ以外の物には鉄槌を、我を見つけ出した少女よ、汝は救いを求めてここまでやってきた。汝には救いを与えよう。】
空の声が途切れると同時に意識が消える。